オーガニックのコーヒー豆について思うこと

以下は7年前に書いたブログだが、(3) については考えが大きく変わってきているので、リライトしておこう。そうしよう。

仮に地球温暖化しているとして、
その原因が二酸化炭素の増加にあるとして、
コーヒー生産国で発生する二酸化炭素も含まれるとして・・・

と仮定をいくつも繰り返したあげくに、それに対してなにかしらアクションを起こしても、果たしてどれだけ意味があるのか?という気がします。

コーヒーは嗜好品であり、無いと命をつなぐことができないというものではない。
だから、できるだけ他の生命に迷惑をかけないように楽しもう。

今はそんな考えで、オーガニックを応援しています。

— 以下、7年前の内容そのまま —

当店は開業以来つねに何かしら1種類はオーガニックのコーヒー豆を置いてましたが、一昨日に東ティモール レテフォホが完売したことで、一時的に無くなりました。

もしかすると、オーガニックにこだわってコーヒー豆を選んでいてくださっていたかたもいらっしゃるかもしれません。
そんなかたにはしばらくの間ご不便をおかけしてしまいますが、オーガニックにこだわる理由によっては他の豆で代用していただけるのではないかとも思っています。

コーヒーに限らない一般的なオーガニック商品の購買理由は以下の2つで、これらが大部分を占めるそうです。

1位: 安全そうだから

2位: 美味しそうだから

この2つがコーヒー豆ではどうかということを考えてきます。

(1) 安全そうだから

化学農薬や化学肥料を使わず作られるので、これは正しいでしょうが、オーガニックで無くても十分安全だと思います。
コーヒー豆の輸入時における残留農薬検査は他国に比べて厳しいものです。(今後はTPPの動向によって状況が変わってくるかもしれません。) そして、仮に農薬が残っていたとしても、焙煎によって飛んでしまうそうです。そういう理由で、自分は「十分に安全」と考えているのですが、この程度はその人が「どこまで気にするか」によります。

(2) 美味しそうだから

他の農作物ではそういうこともあるかもしれませんが、コーヒー豆に関しては、オーガニックだから美味しいということには結びつかないと感じています。逆に昔は「有機はスカスカで不味い」というかたも結構いらっしゃったぐらいです。東ティモール レテフォホを飲んでいただいたかたなら「スカスカなんてことは無い」と思っていただけるかもしれませんが、それでも「有機だから美味しい」というわけではありません。

(3) 環境保全、健全な社会の観点では

以上のように個人的には(1),(2)は実はあまり気にしなくて良いように思います。

それよりも、環境保全、健全な社会に貢献したいと思い、オーガニックのコーヒーを選ばれるかたもいらっしゃると思います。特に、地球温暖化は誰もが実感するところで、「地球の未来のために何か自分のできることを」というかたは増えてきているように思います。
そういう場合は、同様の目的を掲げている、レインフォレスト・アライアンス認証UTZ認証などのコーヒー豆を検討されてはいかがかと思います。

当店でオーガニックのコーヒー豆を扱い続けてきたのも、環境保全に取り組む農園や、資金不足で農薬が買えないことを「有機コーヒー」としてピンチをチャンスに変えて頑張っている生産者を応援したいからです。
一時的に欠品となりますが、品質の良い物があれば今後も扱ってしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

cafe timor has arrived!

水出しコーヒーに向いた豆

アイスコーヒーの季節真っ只中ですが、近年、水出しでアイスコーヒーを作る方が増えているように感じます。
「アイスコーヒーに適した豆は?」ではなく「水出しに適した豆は?」と聞かれることも増えてきました。
このように聞かれると、以前は、水出しか「ホットで淹れて氷で急冷」かには関わらず、イタリアンローストのコーヒー豆をオススメしていたのですが、最近は、水出しの方が好きという方も多いので、ケースbyケースで答え分けることにしています。
「あれ? 前と違うやん!?」とかあるかもしれませんが、ご容赦ください^^;

☕ホットで淹れて氷で急冷したオーソドックスなアイスコーヒーが好きだが、水出しの方が作りやすいので、やむなく水出しで作ろうという人

「オーソドックスなビターで香り高いアイスコーヒー」がお好きでしたら、水出しでもコーヒー豆は「オーソドックスなビター&香り高いアイスコーヒー」に適したもイタリアンローストのコーヒー豆をオススメします。

現在のラインナップでは、ブラジル ショコラ です。

水出しなので、苦さ&香りは弱くなりますが、それでも豆を同じにしたほうが「ホットで淹れて氷で急冷」に近くはなります。

☕「ホットで淹れて氷で急冷」より、むしろ水出しの方が飲みやすくて好きという人

水出しコーヒーのマイルドな感じが好みという事だと思いますので、思い切ってコーヒー豆もシティローストぐらいのコーヒー豆を試されてはいかがでしょうか。

現在のラインナップでは、ルワンダ コアカカアクアブレンド あたりです。

個人的には、アルコールの入っていないウイスキーのような感じが少しします。

個人的には、アルコールの入っていないウイスキーのような印象を少し感じます。

☕今までホットばかりだったがアイスコーヒーも試してみたいという人

初っぱなとしては、とりあえず、イタリアンローストをオススメてしておきます。

現在のラインナップでは、ブラジル ショコラ です。

アイスコーヒー

「夏でもエアコンで部屋を涼しくしてホットコーヒー」で基本OKと思いますが、暑い外から帰宅した時などは、冷蔵庫にアイスコーヒーがあると幸せですよね。

もうしばらくはそういうシーズンが続くと思いますので、楽しんでみてください。

8.27 こども食堂

来る8.27に二宮の七変化Kitichenさんで開催される子ども食堂に、ラテベース、もとい、コーヒー牛乳ベースを提供させていただく予定となった。

コーヒー牛乳ベースは店で販売している「できたてラテベース」のシティロースト版。

「できたてラテベース」はイタリアンローストのコーヒー豆を使っているが、こどもにはやや苦いかもしれない。

そこで、シティローストのコーヒー豆が残った時に冷凍しておいて、コーヒー牛乳ベースの材料として活用する算段だ。

子供の頃、母子家庭で母が遅くまで働いてくれていたので、小中高と、かなりインスタント食品の世話になった。

UFO, ホームラン軒, 赤いきつね など、どれも美味しく、さらにガスコンロを習得してから作れるようになった「中華三昧」は驚愕の美味しさだった。

美味しいものばかり食べれて不満は無かったが、それでも、心のこもった手作り料理はやっぱり嬉しいもんだった。

心をこめて、コーヒー牛乳の元を作ろう。そうしよう。

ペーパーフィルターは白がいいのか茶色がいいのか。

ペーパーフィルターは白がいいのか茶色がいいのか。

時々問い合わせいただくが、都度「白」をオススメしている。

この件は、かなり昔にブログに書いたこともあったが、最近、当店で取り扱っているペーパーフィルターの製造元である三洋産業さんが、公式YouTubeチャンネルで社長自ら「白」と断言してくださってるので、以下に案内させていただく。

いちコーヒー豆屋の言うことより、説得力あるでしょ。

おまけに、価格も白のほうが少し安い。
ペーパーフィルターとして機能面で優れている上に、低価格なのだから、白一択で十分だ。

それにしても、いまだに茶色の方がいいと思ってる人が多いのも、茶色しか置いてない店が多いのも、某N○Kの報道番組の影響と言っても差し支え無さそうだ。

昨今もコロナ、ウクライナ、地球温暖化、アフガニスタン、ミャンマー、パレスチナなどなど、一般に報道されている内容を鵜呑みにしない方が良さげな件にあふれている。

間違い無く利他で言ってくれてると思える人、この人のゆー事が違ってたらしゃー無いというぐらい好きな人、そんな人達の言う事に耳を傾けていくぐらいしかない。

コーヒーのスワリング(swirling)

ワインの入ったワイングラスを手で回すのを見かけることがあるが、あれをスワリング(swirling)というそうだ。

その目的は”カッコつけ”では無く「スワリングするのは、ワインが空気に触れることで、より香りが引き出され、味わいがまろやかに変化して、より美味しくいただけるようになるから」だそうな。

【参考】ワインには回し方のマナーがある!ワインを回す理由と正しいやり方を学ぼう

【コーヒーのスワリング】

酒を飲まない俺にワインのスワリングをする機会は無いが、コーヒーの入ったカップならほぼ毎日クルクル回している。
仕草的には「コーヒーのスワリング」と言ってよさそうに思う。
ただその目的はワインのとは違って、カップに直接ドリップしたコーヒーは上の方ほど薄くて美味しくない液体になるので撹拌して均一化することだ。
もちろんスプーンでも撹拌できるが、洗い物を増やしたくない時やスプーンに熱を奪われたくない場合に、ちょっと便利なのである。

砥部焼 向井窯 マグ

【スワリング向きマグ】

このプチ便利をコバルトのお客様にも実感していただきたいと思い、砥部焼 向井窯さんのくねくねマグを仕入れた。
このマグは縁がくねくねを波打っているのに、意外にもドリッパーを水平に安定して置けるのが好い。
容量は280mlはあるが、あえて半分ぐらいにとどめれば、とてもスワリングしやすいマグとなるので試していただきたい。

砥部焼 向井窯 マグ
青字に白と白地に青の2種類ありまする。(取っ手は両方とも白)

日本本来のコーヒー

ブラジル プレミアムショコラ 乾燥工程

フルシティローストで提供していたブラジル ゴールデンマウンテンを先週末からイタリアンローストでも提供開始した。

コバルトでは開業以来東ティモールのコーヒー豆を絶やしたことが無いが、もうひとつ絶やさないように意識しているのがブラジルの深煎りコーヒー豆だ。

ショコラダテーラ、そしてゴールデンマウンテンとエリアや生産者は変わっても、何かしらは提供するようにしている。

そんなふうに焙煎&提供を続けているのは、このブラジルの深煎りコーヒー豆が日本本来のコーヒーだと思っているからだ。

18世紀に初めて日本(長崎・出島)に持ち込まれたコーヒーでは無く、

戦後にGHQ支配下の日本に戦勝国側の都合にいいように広められた粗悪なレギュラーコーヒーやインスタントコーヒーでも無く、

その間の大正時代に、カフェーパウリスタによって広く大衆に普及していたブラジルのコーヒー。

それが日本本来のコーヒーではなかろうかと思う。

当時はまだパルプドナチュラルなんてなかっただろうから、加工方式は乾式(ナチュラル)だったに違いない。

当時のカフェーパウリスタに関する情報によると、焙煎度はかなりの深煎りだったと思われる。

一日数千杯も出ていたのだから、焙煎後のコーヒー豆の鮮度は相当良かったと考えられる。

かいつまんで言うと「焙煎後の鮮度がいい極深煎りのブラジル乾式コーヒー」。
それが日本本来のコーヒーではないだろうか。

浅煎りブームになろうが、中米のナチュラルが流行ろうが、「ブラジルは中煎り」が一般的だろうが、コバルトではこの日本本来のコーヒー豆を作り続けていきたい。

ブラジル ナチュラル 乾燥工程

コーヒー豆のクロップ年度表記

コーヒー豆には2019/2020,2020というクロップ表記がある。
いつ収穫された農作物かを表すためのもので、日本でも米や豆などに2020年度産という表記が付くのと同様である。
上二桁の”20″を省略して19/20, 20と書くことも一般的になっている。

以前に「19/20は2019/10/1から2020/9/30に収穫されたコーヒー豆を表す」と習ったが、どうも最近この規則に当てはまらない事が多いので調べてみた。
その結果、いつのまにか同一のクロップ表記に対応する期間が生産国によって異なるようになっているようだ。

ICOの統計資料を見ると、生産国をApril Group, July Group, October Group の3つに分類し、グループごとに期間を設定している模様である。
具体的には以下のようになっている。

April Group

コバルトが扱うコーヒー豆では東ティモール、ブラジル、インドネシア、エクアドル、ルワンダなどが属する。
2019/4/1から2020/3/31に収穫されたコーヒー豆が2019/2020と表記される。

July Group

タンザニア、コンゴなどが属する。
2019/7/1から2020/6/30に収穫されたコーヒー豆が2019/2020と表記される。

October Group

コロンビア、グアテマラ、エチオピア、ケニアなどが属する。
2019/10/1から2020/9/30に収穫されたコーヒー豆が2019/2020と表記される。

上記により、現在コバルトで提供しているケニア レナと、ブラジル ゴールデンマウンテンはどちらも2020年6月に収穫された豆なのに、クロップ年度が前者は19/20、後者は20/21と異なっている事にガッテン。

残る難点は輸入業者さん、生豆屋さんによる2020や20という片側表記だ。
これは2019/2020を略して2020と書くところもあれば、2019と書くところもあってややこしい。
2020としたほうが新しい農作物のように見えて印象面でお得な気がするが、謙虚に2019と書かれる事もある。
これには特にルールもなく業者さん次第のようだ。

コバルトでは誤解を招きそうな片側表記は避けて、19/20, 20/21 といった表記法で統一していこう。