つるや本舗さんの「わらび餅」

新神戸 つるや本舗 さん

暑い夏が訪れ、街のあちこちでわらび餅を目にするようになってきました。

わらび餅には主に、スーパーなどで良く見かける餅だけのタイプと、和菓子屋さんにある小豆あんを包んだタイプがあると思います。

神戸では和菓子屋さんでも前者が一般的なようで、小豆あんを包んだタイプは置いて無い事も多いです。

今回、コーヒー&和菓子ギフト用のチュイルアーモンドを仕入れに行ったつるや本舗さんで、小豆あんを包んだタイプに出逢えましたので、紹介しようと思います。

新神戸 つるや本舗 さん

【つるやさんのわらび餅】

わらび餅といっても、高価なわらび粉ではなく、タピオカ粉など他のでんぷんで代用しているものが多いです。

スーパーで数十円で販売されているような透明の物は、ほぼ間違いなくわらび粉は使用されてません。

しっかりした噛みごたえがあって、それはそれで美味しくいただけるのですが、つるや本舗さんのはそういったのでは無く、わらび粉を使った本物のわらび餅です。

わらび粉ならではの茶色の生地は、トッピングのきな粉と良くマッチしていて、丸められた小豆あんにまとわりつくように柔らかく繊細です。

中の小豆あんは粒あん。

粒あんだけでも買って帰りたいぐらい、それはもうとてもとても好みな餡なので、これは嬉しい限り。

柏餅ではヨモギの風味に小豆が負けないように粒あんが使用されるそうですが、わらび餅の場合は「負けないように」というより、わらび&きな粉に粒あんが合わさって絶妙のハーモニーを生んでいるように感じます。

つるやさんの粒あんを使った菓子は、マイ定番の「羽二重餅」が通年であるのですが、このわらび餅も夏の楽しみとして毎年待ち遠しくなりそうです。

つるや本舗さんの「わらび餅」

【わらび餅とコーヒー】

一緒に楽しむコーヒーですが、餅だけのわらび餅なら、アイスコーヒーに限ると思います。

つるんとした食感に、のどごしの良い、よく冷えたアイスコーヒーが合いすぎると思うのです。

でも、小豆あんを包んだわらび餅なら、ホットコーヒーともとても良く合うようになります。

TPOに応じて、合わせるコーヒーをアイスorホットから選べる、とても便利な和菓子だと思います。

藤江屋分大さんの「うすぐも」

藤江屋分大@明石の蒸しきんつば「うすぐも」

藤江屋分大さんは明石の老舗和菓子屋さんですが、そごう神戸店に出店されています。

先週の土用の丑の日にいたっては、大丸神戸店でも分大さんの土用餅が並んでいました。

神戸にも和菓子屋さんはあるのですが、やはり洋菓子の街ですので、ここぞという時はお隣の城下町に根付いた和菓子が台頭してくるようですね。

ありがたみが薄れるのかもしれませんが、明石まで足を運ぶこと無く、近所でサッと入手できるのは素直に「グッジョブ!」と言いたい気がします。

さて、そのデパ地下の分大さんへ先日「たこつぼ」目当てで行った時に目についたのが「うすぐも」というお菓子です。

後日再訪してゲットしましたので、今回はそれを紹介したいと思います。

藤江屋分大@明石の蒸しきんつば「うすぐも」

「うすぐも」は季節菓子で、4月上旬から9月下旬の間、看板商品の「分大餅」と入れ替わりで登場するようです。

分大餅の代打みたいな位置づけなんだと思いますが、俺はまだ「分大餅」をいただいた事が無く、「うすぐも」のほうが先になりました。

さて、その「うすぐも」ですが簡潔に表現すると「低い円柱形の蒸しきんつば」となります。

これまでの和菓子ライフでは、きんつばは出入橋きんつば屋さん、松永製餡さん、本高砂屋さんといったところの物をいただいて来ました。

いずれも直方体の焼いてあるタイプでしたので、円いのも、蒸してあるのも、「うすぐも」が初体験です。

調べてみたところ、形についてはむしろ円いのが原形で、日本刀の「つば」のように円く平らな円型になっているから「きん”つば”」なんだそうです。

今となっては少数派ですね。

蒸した皮はモチモチしていて、焼売や餃子(焼いてない側)の皮を彷彿させる、和菓子ではあまり遭遇しない食感が楽しいです。

その皮に包まれている粒あんは淡い色をしていて、しっかりした甘味を感じました。

先週から全国的に猛暑&晴天が続いてます。

日差しが和らぐことを期待し、「うすぐも」とアイスコーヒー、なんていかがでしょう( ´∀`)つc|_|

本高砂屋さんの「鮎」

本高砂屋さんの若鮎「鮎」

本高砂屋さんといえば神戸を代表する和菓子屋さんですが、全国あちこちにありすぎて、神戸の店ということを知らない方も意外に多くいらっしゃるみたいです。

神戸風月堂さんみたいに「神戸」が付いてないですもんね。

代表的な和菓子は何と言ってもきんつばですが、俺がいただくのは夏に登場する「鮎」です。

本高砂屋さんでは単に「鮎」ですが、一般的には「若鮎」というようです。

Google画像検索でいろんな和菓子屋さんの「若鮎」を眺めてみましたが、本高砂屋さんの「鮎」の造形の美しさは目立っているように思います。

特にエラが焼印でなく生地を折りたたんで表現しているところがツボなんですよね。

本高砂屋さんの若鮎「鮎」

中身についても、求肥がこしあんで包まれているのが小豆あん好きにとっては素敵です。

鮎の和菓子なら、普段お世話になっている春日野道や水道橋の和菓子屋さんでも作っておられるのですが、皮の中は求肥のみなんです。

あずきラバーとしてはやっぱりあんこが入っていて欲しいもの。

さらに、塩焼きの鮎のはらわたを好む者として、和菓子の鮎にも黒いものが入っていて欲しいのかも。。

それはともかく、小豆あんが入る事でコーヒーとの相性がアップするのは確かだと思いますよ~

甘栄堂さんの「雪餅」

甘栄堂さんの「雪餅」

「雪餅」という和菓子をご存知でしょうか?

最初に春日野道の広島屋菓子舗さんで見かけた時は、独自の菓銘かと思ってたんですが、その後に甘栄堂さんでも発見。

大阪で夏になると登場する和菓子のようで、それがたまたま神戸の春日野道にある菓子屋さん2軒ともに提供されているようです。

「夏なのに雪」というのが面白いですねぇ。

これは試してみないといかんでしょ。

甘栄堂さんの「雪餅」

お店によって若干の違いはあるようですが、共通するのは、粒あんをわらび餅風の生地で包んで、その上から笹の葉を巻いてある事です。

今回試した甘栄堂さんの雪餅は、タピオカ粉を使った生地で、口に含んだら溶けそうなぷるぷるした口当たり。

「なるほど夏の和菓子だ」と納得させられました。

雪といっても、ガッツリ積もった北国の雪というより、都会に数センチほど積もった水っぽい雪という印象です。

コーヒーはしっかりビターなアイスコーヒーがぴったりだと思います。

暑い夏に雪餅とレイコー、いかがでしょう( ´∀`)つc|_|

 

味正堂さんの「柏餅」

味正堂 - 柏餅(緑)

好きな和菓子は色々あれど、「一番好きな和菓子は?」と聞かれても、迷わず答えれるのが「柏餅」です。

普通のパンより噛みごたえのあるベーグルが好きな人が好む和菓子はやっぱり柏餅なんでしょう。 

そんな柏餅ですが、端午の節句に先立って4月ぐらいから店頭に並び、5月末ぐらいで姿を消すという和菓子屋さんが多いです。

「いくらニーズがあっても節句が過ぎればサッと消えるのがをかし」というのはわかります。

でも、柏餅を一番好きな和菓子と言い切る者にとって、長きに渡って提供してくれるお店はとてもありがい存在です。

夏になると、葛餅、わらび餅、水ようかん、水まんじゅうと、軒並み瑞々しくて柔らかい和菓子へと移っていきます。

これらは和菓子らしい季節感が出ていて良いなあと思う一方で、噛みごたえのある餅物を好む俺としては、わずかの物足りなさを感じる時もあります。

そんな時に拠り所となるのが、大安亭市場にある味正堂さんの柏餅です。

味正堂さんの柏餅(白)
味正堂さんの柏餅。白はこしあんです。

味正堂さんでは通年ではありませんが節句が過ぎても夏まで作り続けてくださってます。

濾し餡を白い餅で包んだものと、ヨモギが練り込まれた緑の餅で粒あんを包んだものと2種類。

粒あん派としては緑ですが、コーヒーと楽しむなら白で、いつも悩みどころです。

形は丸ではなく、一般的な二つ折り。

新 和菓子噺 」という本によると記録に残っている最も古い柏餅は鳥子(卵)型だそうですが、近くの和菓子屋さんでは二宮商店街の月ヶ瀬さん以外は二つ折りタイプです。

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さっぱりした甘すぎない餡の柏餅のお供にするコーヒーはフルシティぐらいのコーヒーがいいと思います。

しっとりした柏餅には暑くてもアイスコーヒーよりホットのほうがいいと思いますよ~。

新鮮な柏餅には新鮮なコーヒーを ( ´∀`)_c□~

味正堂 - 柏餅(緑)
味正堂 さんの柏餅。緑は粒あんです。

平野屋本舗さんの「炭酸御幸せんべい」

平野屋本舗 炭酸御幸せんべいの餡サンド

神戸は和菓子より洋菓子のイメージですが、敢えて神戸を代表する和菓子を挙げるとすれば、瓦せんべいか、この炭酸せんべいでは無いかと思います。

瓦せんべいは中央区は兵庫区などの繁華街で作られているのに対し、炭酸せんべいは有馬温泉で作られています。

でも、さんちかとそごうに販売所があるため、一部は有馬温泉まで行かなくとも手に入ります。

そのひとつが今回紹介する平野屋本舗さんの御幸せんべいです。

炭酸せんべいの原材料は小麦粉、砂糖、澱粉、食塩、重曹というのはどこも大体同じですが、その配分や焼き方によってそのお店の個性が少しの差となって現れています。

平野屋本舗さんの御幸せんべいは、他よりカリッとクリスピーな食感と、塩が効いてる事で甘さを引き立てているのが特徴のように感じます。

【お供にするコーヒー】

プレーンな炭酸せんべいに合うコーヒーは、シティローストぐらいの焙煎度のものがいいです。

コバルトに今ある豆なら、アクアブレンドあたりが良い感じです。

【エピローグ】

炭酸せんべいは少なくとも20枚ぐらいは入ってますから、一部はそのまま味わいつつ、残りを好みでアレンジするのが楽しいのです。

俺のお気に入りアレンジは、砂糖無添加のピーナッツバターか、小豆あんをサンドした物です。

小豆あんの場合は、煎餅が水分を吸って柔らかくなりやすいので、こんなふうに写真を撮ってる暇があったら、早く食べましょう!

新鮮な炭酸せんべいには新鮮なコーヒーを( ´∀`)つc□~

平野屋本舗 炭酸御幸せんべいの餡サンド

広島屋菓子舗さんの「ロールカステラ」

和菓子の本やWEBサイトを見ていると、「カステラはれっきとした和菓子なんですよ」という主張を見かけます。

その理由は「南蛮菓子が日本で独自に発展を遂げたもので完全に別物」「ケーキのようにバターやクリームを使用していない」「膨張剤に頼らず天然材料の力で膨らませている」などのようです。

ひろしま

広島屋さんの主要商品のロールカステラは、膨張剤は使っていませんが、バターやクリームは入っていて、外観的にも中身的にもカステラとロールケーキの中間のような感じです。

俺は「カステラ」と付くものは、ロールカステラも、ベビーカステラも、みんな和菓子に分類してますが、当の広島屋さんは「和洋 御菓子 広島菓子舗」ですので、どちらでも良いのだと思います。

さて、そのロールカステラは、保存料等を添加せずとも、しっとりした食感を長く楽しむ事ができ、贈り物に使い勝手がいいお菓子です。

食べきりサイズなので、自分一人だけのコーヒータイムにもバッチリはまります。

【お供にするコーヒー】

層の接合部にはイチゴジャムが塗られていて、生地の甘さと合いまり、しっかりした甘味を感じますので、コーヒーはフルシティローストぐらいの深めの焙煎度のコーヒーがちょうどいいです。

今コバルトにある豆から選ぶなら、「主力商品には主力商品を」ということで、東ティモール レテフォホあたりを推したいところです🇹🇱

新鮮な和菓子には新鮮なコーヒーを( ´∀`)つc□~