ハンドドリップ最大の難所の越えるための2つのコツ

ハンドドリップ 蒸らし後の一投目は垂直に中央へ

コーヒーをハンドドリップで淹れる上での最大の難所はどこでしょうか?

新鮮なコーヒー豆を使用している人であれば、大体意見が一致します。

それは、蒸らしの後の最初の注湯です。

豆の内部にあったガスが、浸透した湯によって追い出され、泡となって上がってきて、雪崩のように粉の層を崩してしまう事がよく起きるんです。

先週のコーヒーレッスンでもこの場面に何度か遭遇しましたので、今日はこの対策について書いてみたいと思います。

【1】 垂直に落とす

雪崩は湯が落ちる方向に起きます。

つまり、注湯に勢いがついて、湯が手前から向こう側に落ちれば、手前から向こうへ崩れます。

逆に、注湯が弱すぎて、注湯口から手前に伝うように湯が落ちれば、向こうから手前へ崩れます。

したがって、「粉面に対し垂直に湯を落とす」というのが肝要です。

そのためには、先の細いドリップに適したケトルを用意するだけで無く、それに適量の湯を入れておく必要があります。

中の湯が多すぎると少しケトルを傾けただけで湯が落ちるので、向こうから手前に湯がつたうように落ちがちです。

逆に中の湯が少なすぎると、だいぶ傾けないと湯が落ちないので、手前から向こうへ勢い良く湯が落ちてしまいます。

ハンドドリップ 蒸らし後の一投目は垂直に中央へ

【2】真ん中で粘る

よく「のの字」と言われるように、注湯は最初に真ん中に落とした後、円を描くように回転させます。

この時、【1】と同じように、回転方向に雪崩を起こしてしまう事があります。

この対策は、泡が上に浮いてくるまでは、回さず真ん中に落とし続ける事です。

経験の浅い方ほど気がはやり、すぐに回そうとしがちですが、意識して粘ってみてください。

【エピローグ】

以上、コツを2点書いてみましたが、これらを実践する上で必要なのは集中力です。

2投目からは単純作業の繰り返しなので、蒸らしとその後の第1投に集中してみてください。

大丈夫です。

わざわざブログ記事に書くほど、難しい事ではありません。(じゃ、書くなよ!)

集中してやれば、10回もしないうちにできます。

You can do it! ( ´∀`)つc□~

広島屋菓子舗さんの「ロールカステラ」

和菓子の本やWEBサイトを見ていると、「カステラはれっきとした和菓子なんですよ」という主張を見かけます。

その理由は「南蛮菓子が日本で独自に発展を遂げたもので完全に別物」「ケーキのようにバターやクリームを使用していない」「膨張剤に頼らず天然材料の力で膨らませている」などのようです。

ひろしま

広島屋さんの主要商品のロールカステラは、膨張剤は使っていませんが、バターやクリームは入っていて、外観的にも中身的にもカステラとロールケーキの中間のような感じです。

俺は「カステラ」と付くものは、ロールカステラも、ベビーカステラも、みんな和菓子に分類してますが、当の広島屋さんは「和洋 御菓子 広島菓子舗」ですので、どちらでも良いのだと思います。

さて、そのロールカステラは、保存料等を添加せずとも、しっとりした食感を長く楽しむ事ができ、贈り物に使い勝手がいいお菓子です。

食べきりサイズなので、自分一人だけのコーヒータイムにもバッチリはまります。

【お供にするコーヒー】

層の接合部にはイチゴジャムが塗られていて、生地の甘さと合いまり、しっかりした甘味を感じますので、コーヒーはフルシティローストぐらいの深めの焙煎度のコーヒーがちょうどいいです。

今コバルトにある豆から選ぶなら、「主力商品には主力商品を」ということで、東ティモール レテフォホあたりを推したいところです🇹🇱

新鮮な和菓子には新鮮なコーヒーを( ´∀`)つc□~

日本のコーヒーとは

近年、日本のコーヒー飲用文化はアメリカの真似みたくなってきて、日に日に個性が失われてきているように感じます。

日本だけでなく、まわりのアジアの国も同じような感じになりつつあり、各国オリジナルのコーヒー文化が廃れていくのは残念に思います。

そこで、我が国、日本のコーヒーの個性とはどういったものか考えてみました。

現状はそんな特徴は無く、こうなればいいなという願望もありますがΣ(´∀`;)

【豆の産地】

地理的に近いアジアの生産国、その発展に日本からの移民が貢献したブラジル、古くから日本で愛着があり日本への輸出が多いタンザニア、のシェアが大きい。

【豆の焙煎度】

軟水で幅広い焙煎度に柔軟に適応できるため、浅煎りから深煎りまで幅広い焙煎度のコーヒー豆が揃っている。

【淹れ方】

ドイツで生まれ日本で発展を遂げたハンドドリップが用いられる。

アイスコーヒーはホットで入れて急冷して作られる。

【コーヒーの友】

和菓子や小豆餡を使ったパンとコーヒーのペアが嗜まれる。

大安亭市場 味正堂さんの鹿の子
大安亭市場 味正堂さんの鹿の子

【コーヒーカップ】

伊万里焼、砥部焼、出石焼などの磁器が好んで用いられる。

出石焼と砥部焼のコーヒーカップ
出石焼(左)と砥部焼(右)のコーヒーカップ

 

【作業範囲】

自分で煎る人、自分で淹れる人が他国に比べ多い。

【エピローグ】

どんなもんでしょか?

せっかく考えてみたからには、焙煎度、産地などは意識しつつ豆屋を営んでいきたいと思います。

 

甘栄堂さんの「くるみ餅」

春日野道商店街 甘栄堂さんのくるみ餅

春日道商店街にある甘栄堂さんは贈答用の和菓子が充実していて、コバルトでもコーヒー豆&和菓子ギフトセットでどら焼きを使用してます。

でも実は、丁寧に作られた朝生菓子も相当数あって、朝9時の開店と同時にお店の外に置かれたワゴンに並びます。

今回はその中のひとつ「くるみ餅」です。

朝生菓子のほとんどが季節限定の中、このくるみ餅は通年で提供されており、のぼりも出ていて、看板商品と言ってよい菓子なのだと思います。

【色々なくるみ餅】

俺が「くるみ餅」と聞いて、真っ先に浮かぶのは、大阪堺のかん袋さんの物です。

大阪在住時に何度かいただいたことがありますが、青大豆のゆるい餡でくるんでいるから「くるみ餅」であって、胡桃は全く使われていません。

一方、ググって出てくるのは、胡桃のペーストを餅にかけて食べるタイプや、胡桃ゆべしと同じようなタイプが多いです。

このように「くるみ餅」という和菓子は全国共通では無く、地域やお店によって様々なのが面白いです。

【甘栄堂さんのくるみ餅】

では、甘栄堂さんのはというと、それらのどれでも無く、胡桃と小豆餡を白い餅で包んだ和菓子です。

薄く柔らかい生地から透けて見える胡桃と上品な小豆濾し餡の相性がとても良く、コバルトのコーベー「かやぶき」を開発した時の参考になりました。

コーヒーが合うという点では、前述のくるみ餅たちの上をいっているように感じます。

一緒に楽しむコーヒーの焙煎度はシティローストぐらい、今コバルトにある豆の中では、ホンジュラス ラス クチージャス あたりがいいと思います。

新鮮な和菓子には新鮮なコーヒーを( ´∀`)つc□~

春日野道商店街 甘栄堂さんのくるみ餅

 

コーヒーにベストな柏餅

和菓子の日に柏餅

先週の6月16日は和菓子の日でした。

「嘉祥元年6月16日に仁明天皇が16個のお菓子などをお供えして、病気がなくなり、健康で幸せに暮らせるように祈った」というのが由来だそうです。

コーヒーの日も、これぐらいちゃんとした由来があると良いのですが(;´∀`)

とはいえ、16個はさすがに多すぎるので、俺は一番好きな和菓子1個に絞って、和菓子の日にいただくようにしています。

それは「柏餅」です。

【柏餅選びのジレンマ】

過去に、白(こし餡)、緑(蓬&粒餡)、桃(味噌餡)の中では、白が一番コーヒーに合うという結果が出ていますので、今回も白にするつもりでした。

でも、単に小豆餡としての比較では、こし餡より粒餡の方が好きなんですよね。

これは決して俺が変わっているわけでは無く、ネット上のアンケート結果を見ても、関西は粒あん派が多いようです。

また、和菓子屋さんは、粒餡は自家製でも、こし餡は製餡所から仕入れるというパターンが多いので「そのお店の餡を味わいたい」と思うと粒あんを選びたくなるという事もあります。

そんなわけで、店頭で悩んだ結果、当初の予定に反し、緑を取ってしまいました。

柏餅を選ぶ時に陥りがちな、「コーヒーとの相性を重視して白にするか」or「粒あんを重視して緑にするか」のジレンマです。

和菓子の日に柏餅

【コーヒー好きにとって理想の柏餅】

このジレンマを解決するのは、ずばり、粒あんが入った白い柏餅です。

これがコーヒーと粒あんが好きな人にとって理想の柏餅だと思います。

なんだ、そんな事か┐(´∀`)┌、と思ったでしょ?

しかし、これがありそうでなかなか無いのです。

少なくとも、今シーズン柏餅をいただいた8軒の和菓子屋さん(味正堂さん、甘栄堂さん、月ヶ瀬さん、つるや本舗さん、ナダシンさん、双葉堂さん、美吉堂本舗さん、幸福堂さん)にはありませんでした。

そこで、「柏餅ならココ!」と思う和菓子屋さんに、「粒あんの入った白い柏餅」をオーダーメイドで作っていただいて、「コーヒーにベストな柏餅(仮称)」としてコバルトで提供することを考えています。

とりあえずは、継続的に提供するのでは無く、イベントや記念日などでのピンポイントでの提供になると思います。

柏餅シーズンが終わったばかりで、いぶ先になりそうですが、「遅くとも来年の和菓子の日までには!」と思っていますので、ご期待ください。

メリタ アロマフィルターでのコーヒーの淹れ方

メリタ アロマフィルター (コーヒードリッパー)

コバルトでは2013年のオープン当初から、円錐形はドリッパーとペーパーフィルタ、台形(扇形)はペーパーフィルタだけを扱っておりました。

台形は紙だけしか無いので「これのドリッパーは無いの?」と言われることがありました。

そこで今更ではありますが、その声にお応えする形で、メリタのドリッパー (アロマフィルター) を先月から取り扱っています。

今日はその淹れ方について書きます。

といっても、メリタ式の淹れ方は「蒸らして、一気にお湯を注いで、落ちるのを待つだけ」というシンプルな手順である上に、メリタさんが動画をアップされてます↓

そこで、上の動画の補足として、具体的な数値を参考として示した手順を紹介します。

【メリタ アロマフィルターでのコーヒーの淹れ方】

(1). カップやサーバーの上にドリッパーにペーパーセットして、挽いたコーヒー豆をセットします。

とりあえず、抽出量が120mlなら12g, 150mlなら15gで試してみて、結果を見て調整してください。

(2) この状態でキッチンスケールの上に置いて、TARE(重量表示を0gにリセットする事)します。

(3) 蒸らしの湯を注ぎます。

公式サイトの情報に「穴の位置が少し高いので、抽出前にコーヒーを蒸らし、深くアロマを引き出すフィルター」とありますが、蒸らしは別にやったほうがいいです。

スケールの値が20~30gぐらいになるぐらいが適量です。

※ この時に再度TAREしないでください。

湯がカップにポタポタ落ちないと「少なすぎた?」不安になるかも知れません。

でも、アロマフィルターは穴が底より上にあり、落ちにくい構造になっていますので、上から見て、全体に湯が染みていれば大丈夫です。

(4) 30秒ほど蒸らしたら、スケールの値が150g (120ml の場合。150mlの場合は190g。)になるまで湯を注ぎます。

(5) 後は落ちるのを待つだけです。

カップに直接淹れた場合は、軽く混ぜてから味わうのがオススメです。

【エピローグ】

メリタ式はとても楽チンですね!

コーヒーを淹れてる途中で誰か来そうな時とか、便利に使えるのではないでしょうか?

以上、簡単ですが、メリタ アロマフィルターでの淹れ方についてでした。

良いコーヒーと良い一日を( ´∀`)つc□~

メリタ アロマフィルター (コーヒードリッパー)

コーベー「かやぶき」とは ② – 外観と構成

コーベー (かやぶき)

前回書きましたように、コーベー第4弾「かやぶき」は、コバルトがある葺合地区の名前の由来とされる「茅葺」からとっています。

名前だけではなく、ベーグルそのものも地域性にマッチしたものを目指しましたので、今回はそれについて紹介します。

【外観】

茅葺屋根からイメージされる均一な茶褐色のベーグルにしたいと思いました。

コーベーは自家焙煎のコーヒー豆から抽出した濃縮液で生地を仕込むので、茶褐色にはなるのですが、これまでのコーベーのようにチョコチップやナッツなどの具材がベーグルの表面に出ていると、「均一な茶褐色」では無くなります。

今回は均一性に拘り、多少手間がかかっても、混ぜ込まずに巻き込むタイプにしました。

コーベー (かやぶき)

【構成】

では、何を巻き込むか?ということになりますが、やはり活かしたいのは地域ならではの食材です。

5年間ここで暮らした俺が、葺合地区の「地域ならでは」として浮かぶのは、和菓子、ナッツ、餡、韓国食品といったところです。

この中で韓国食品は他と一線を画すので、ナッツ、餡を使用した和菓子風ベーグルでいくことにしました。

積み重ねる文化の洋菓子に対し、和菓子は包む文化。

茶褐色のコーヒー生地の中にクルミと小豆あんを包んだベーグルです。

【エピローグ】

小豆餡を使った和菓子とコーヒーは日本が誇るペアだと常日頃から思っているのですが、それを1個のベーグルの中で表現できていると感じています。

地域性に拘った反面、肝心の味がイマイチ・・ということは無いと思います(;´∀`)

作る日は少ないですが、タイミングがあえばぜひご賞味いただきたいと思います( ´∀`)つc□~

コーベー(かやぶき)とコーヒー