初ギシルは雲南産

ギシルの元

今日は定休日だったので、家でギシル(qishr)というコーヒーの殻からつくるお茶を淹れて飲んでみました。

当店で昨年の春節に焙煎・販売した中国・雲南省のコーヒー「粋」を飲んで、雲南のコーヒーに興味を持ち、なんと雲南に渡ってコーヒーの生産に携わっている、ものすごい行動力を持ったSさんという女性がいらっしゃいます。

そのSさんが最近日本に一時帰国されて、当店に立ち寄ってくださった際に、ギシルをいただきました。

コーヒーの故郷とも言われるイエメンでは、今日2種類のコーヒーが飲まれているそうです。
1つがコーヒー豆を挽いた粉から作られる「ブン」。
そしてもう1つが、コーヒーの実からコーヒー豆を取り出した殻から作られる「ギシル」です。

ギシルの元
夕陽が当たった状態で撮ったので色合いが変になってしまいました。

コーヒー豆は高価で取引される輸出用に回されるため、イエメンでのシェアはギシルのほうが多いそうです。

淹れ方は簡単で、ハーブや砂糖と一緒に煮だしたものを濾すだけです。

小鍋で煮出すだけです。
小鍋で煮出すだけです。

Sさんから「雲南小粒珈琲花蜜」という雲南のコーヒーの花から集められたハチミツをいただいていたので、今回はそれを砂糖の代わりに使うことにしました。この珈琲花蜜ですが、それ単体でもゼラニウムのような華やかな香りを発していたので、さらにハーブを加えることはしませんでした。

コーヒーの花から集めたハチミツです。
コーヒーの花から集めたハチミツです。

初めて飲むギシルは、色といい風味といいローズヒップティー(ハイビスカスが入ってないやつ)を思わせるような印象を持ったのですが、一緒に飲んだ人は「全く違う」と言っておりました。(^_^;)

ギシル
ギシルコーヒーの出来上がりです。紅茶やローズヒップティーのような赤い色です。

唯一飲んだギシルが雲南なので一般的なイエメンのものと比較してどうとかはわからないです。
抽出液より前に、材料の時点で生豆の加工方式が雲南はウォッシュトなのでパーチメント(下図の4)が混ざってないけど、イエメンはナチュラルだからパーチメントも混ざっている、とかいった物理的な違いもあるのかもしれません。

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ネットを見ると、ギシルを出しているカフェなどもあるようですので、ご興味がありましたら一度試してみてはいかがでしょうか。(オススメしているわけではないですよ。)

個人的にはカフェより中華料理屋のドリンクメニューに雲南のコーヒーやギシルがあったら面白いと思います。どのお店も「右へ倣え」といった感じで烏龍茶やジャスミン茶があるだけなので。

アースデイ神戸2015は出店を見送ります

5/4, 5/5に今年もみなとのもり公園でアースデイ神戸が開催されます。
当店は今年は出店を見送ることにしました。

5/4は月曜なので実店舗の営業日です。
以前ブログで「実店舗を営業しながら参加できる状態になれたらまた参加したい」と述べましたが、今はまだ至ってません。

他の出店者さんとブースをシェアして定休日の5/5(火)だけ参加できないか等も試みたのですが、今回は調整つきませんでした。

楽しみにしてくださったかたには、申し訳ない思いです。
2013,2014と連続で参加させていただいたので当店としても残念です。
またいつか戻ってきたいと思いますので、その時はよろしくお願いします。
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コーヒーは焙煎度によって淹れ方を変えることをオススメしています

当店では中煎り(ハイロースト)までの焙煎度のコーヒーと、中深煎り(シティロースト)以上の焙煎度のコーヒーでは抽出時間を変えることをすすめています。

下の写真のようにコーヒー豆のPOPには前者が2分30秒~3分, 後者は3分~3分30秒と記載しています。
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この理由は、焙煎が浅いと、「美味しい成分が出尽くして不味い成分だけが出続けている状態」になるのが早いからです。

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この写真は300ml抽出する時に50ml毎に器を変えたものです。
一番左が最初の50mlで、以降、右方向に順に並べてます。
左から右にいくにつれ、次第に色や味が薄くなるのは当たり前ですが、順番に飲んでいくとあるところで明らかに「まずっ!」と思えるポイントがあります。

その不味くなるポイントが、例えばフルシティ(深煎り)では左から4つ目なのに対し、ミディアムロースト(浅煎り)では3つ目だったりします。
だから、焙煎度が浅めのコーヒーは、比較的早く淹れ終えることをオススメしています。

早く淹れ終えるやり方には通常2つあります。

1つ目は、抽出のペースをあげる方法です。ハリオのV60円錐ドリッパー等なら落とす速度を調整しやすく、この方法で対応できます。一方、メリタなどの1つ穴で径が小さいものでは、難しいかもしれません。

2つ目は、早々に抽出を止めて、湯で薄める方法です。後で薄めるんだから、粉は多めにして濃く淹れておく必要があります。
この場合の注意点は、薄めるのに使う湯は臭くないものを使うことです。ドリップの場合は湯に臭いがついててもコーヒーの粉の層を通過する時に軽減されるのですが、薄める時の湯はカップやサーバに直接注がれることになるでしょうから、少し気をつかったほうがいいですよ、ということです。

この2つはどちらでもいいと思います。やりやすいほうでどうぞ。

最近、サードウェーブ等の影響か、酸味のある浅煎りのコーヒーを嗜好されるかたも増えてきたように思います。
浅煎りのコーヒーは不味くなりやすいので、以上のことをちょっとだけ意識してみてください。

イカナゴとチキンカツとコーヒー豆とベーグル

昨日Facebookページにイカナゴの釘煮の写真(下)を載せましたが、あれは「いただきもの」で、うちでは、釘煮はつくる習慣はありません。

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「やること(ToDo)リスト」を作ってそれを遂行していくのは大事ですし、多くの人は実際にリストを運用していると思います。
何かで読んだのですが、「やらないことリスト」も「やることリスト」と同じぐらい重要だそうです。理念やミッションといったものからブレないためにも、「これはやらない」と決めておくといいそうです。確かに理念云々もあるでしょうが、単純に、個々のリソースは限られているのだから、なんでもかんでも手を広げずに、やることをしぼって品質や生産性を高めることを目指すべきだと思います。

そんなわけで、イカナゴの釘煮はうちではつくらずに、外から調達すると決めました。チキンカツ(揚げ物類)も同様です。
なので、大安亭市場には頼りまくりです。

その代わり、コーヒー豆とベーグルは自分たちで焼くことにしました。
なので、「コーヒー豆とベーグルは外から調達する」と決めているかたのお役には多少たてるのではないかと思っています。

確定申告も「自分でやらない」と決めたいところですが、今はそうもいきません。
今夜は徹夜になりそうな予感です。

コーヒー豆の保存について (ご自宅に持ち帰った後)

前回のおさらいですが、店のコーヒー袋にはコーヒー豆の運搬を目的にしたものと、保存を目的にしたものがあります。

当店の袋は前者であり、ガスバリア性は高くないので、持ち帰った後は湿気や臭いを遮断するため密閉容器に移しかえて保存していただくことをおすすめしています。

(1) 常温保存

豆のままご購入された場合は1週間程度でしたら常温で保存してはいかがでしょうか。
それぐらいの期間であれば「香味の劣化」というよりは「香味の変化」を楽しむぐらいの感じで味わっていただける範囲だと思います。実際のところ、焙煎したてよりも数日後のほうが美味しいとおっしゃるかたは多いです。

常温保存に使える密閉容器はビン、缶、セラミックなど多種あります。光による劣化速度アップを懸念して不透明の缶やセラミックを採用するかたもいらっしゃいますが、外から中身が確認できる容器に入れて、暗いところに置いてもいいと思います。

(2) 冷凍保存

粉に挽いた状態で保存する場合や、豆でも長期間にわたって保存する場合、冷凍で劣化を遅くすることはできます。
冷凍庫では他の食品などから臭いをもらいやすいので、常温同様に密閉容器に移しかえたほうがいいです。

冷凍の弱点として、冷凍庫から出した時に吸湿しやすいということがあります。
問題となるのは容器内の結露です。(容器の外側につく水滴は、コーヒー豆にはくっつかないので無視できます。また、容器から取り出した豆につく水滴も、どうせこれから淹れるんだから気にしなくていいですよね。)
これは、容器を開けた時に入り込んだ外気が容器によって冷やされ、飽和水蒸気量が下がり、あぶれた水蒸気が水滴となって容器内側につくというロジックです。(理科で習いましたよね? )
したがって、ビン、缶など空気を冷やす力の強い容器より、冷やす力の弱い薄っぺらいプラスチックの容器や袋を使うほうが水滴はつきにくいです。
複数の容器に小分けにして保存すれば、出し入れを減らせますので、吸湿する機会が減り、なお良いと思います。

個人的には大阪のタケヤさんのフレッシュロックを常温、冷凍の両方で使用しています。(タケヤさんではフレッシュロックの冷凍は推奨していませんので、自己責任で使っています。)
ジップロック等の袋もいいと思いますが、「使い捨て」を嫌ってあまり使ってません。

常温で室内に置くのなら、気に入ったデザインや質感のものを選びたいということもあると思います。
機能性、ライフスタイル、何を優先するかは人によって違いますので、結局は「お好みでどうぞ!」ということになりますね。
ここでは機能性を重視する場合の参考情報として書いてみました。

冷凍や冷凍の場合は、ペラッペラの容器の方がむいてます

コーヒー豆の保存について (ご購入からご自宅に持ち帰られるまで)

お客様からいただく問い合わせで最も多いのがコーヒー豆の保存容器、保存方法についてです。

Facebookのほうで断片的に紹介したりしていましたが、一度HPのほうに記事にしておこうと思い、こちらに投稿することにしました。最終的には固定コンテンツのほうに整理するつもりです。

今回は、通常(持ち帰り用の容器をお客様が持参されない場合は)一番最初にコーヒー豆が入ることになる、店のコーヒー袋についてです。

コーヒー袋には、使用場所まで運搬する用途と、保存する用途があります。
当店の袋はご自宅やオフィスまでの運搬用です。ガスバリア性はそれほど高くないので、持ち帰られたら、保存用の容器に移し替えていただくことをオススメしています。

保存用の袋が有用となるのは、スーパーやコンビニで販売されているコーヒーのように、袋に入れてから開封されるまでに相当な日数があるような場合です。当店はこまめに焙煎して、焙煎後1週間しか販売しないスタイルをとっているので、基本的に不要と考えています。

また、この種の保存袋は、コーヒー豆から出るガスを中から外に出すことで袋の破裂を防ぎつつ、外からガス(酸素等)の侵入はシャットアウトできるようになっています。
しかし、コーヒーの劣化への酸素の影響は酸素濃度を1%以内に抑えれるかどうかが勝負であって、1%を超えてしまったら、もはやあまり差が無い(目くそ鼻くそ)ことがわかっています。
したがって、この袋が威力を発揮するためには、酸素を除去(他の気体に置換)し、酸素を限りなくゼロにした状態で、封をしないといけないのです。大手メーカーの工場ならともかく、当店のような焙煎店ではそんなことはできません。袋の破裂を防ぐ、湿気から守るという点では多少の意味があっても、コーヒー豆の酸化による劣化対策にはあまり有効でないのです。

さらに当然ですが、この袋が有効なのは最初に開封するまでの話です。開けてしまえば、他の密閉容器に移すべきなのは運搬用袋と同じです。

以上の事由で、当店では1枚あたり50円,100円とするような保存袋を採用することは過剰投資と考え、比較的安価な運搬袋を使って販売価格を抑えるようにしています。

ただ、ギフトなどの場合は開封までの時間が長くなりがちなので、袋の破裂を防ぐことと湿気から守ることを目的に、保存袋も用意はしています。(1枚30円いただいておりますm(–)m)

コーヒー袋(運搬用と保存用)
写真左が当店の運搬袋、右側が保存袋です。

今回はここまでとし、持ち帰られた後の保存については、また別途とさせていただきます。

節分で残ってしまった煎り大豆をコーヒーの友に再利用する方法

節分で残ってしまった煎り大豆。
そのまリポリポリ食べても素朴な味わいで悪くないのですが、お茶ならともかくコーヒーに合わせるにはちょっと弱いのではないでしょうか。

ちょっと手を加えて砂糖でコーティングすれば、コーヒーの友としても再利用できますよ。

[材料]
・煎り大豆50g
・お好みの砂糖 30g
・水 15ml
・お好みのパウダー(きな粉、カカオ、シナモンなど) 適当量

[作り方]
(1)小鍋に水と砂糖を入れて火にかけてかき混ぜ続ける
(2)砂糖液にブクブク泡が生じるようになったら大豆を投入してからめる
(3)鍋底にあった砂糖液が大豆表面に移って無くなってきたら、乾かないうちにパウダーを投入し、ザクザク混ぜる
(4)大豆表面のコーティングが固まったら鍋から取り出して完成

今回はヘルシーに低GIのココナッツシュガーときな粉で作りました。
パウダー無しで砂糖&水だけでもいけます。
5分もあればサクッと作れますので、煎り大豆が残ってたらお試し下さい。

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