当店では中煎り(ハイロースト)までの焙煎度のコーヒーと、中深煎り(シティロースト)以上の焙煎度のコーヒーでは抽出時間を変えることをすすめています。
下の写真のようにコーヒー豆のPOPには前者が2分30秒~3分, 後者は3分~3分30秒と記載しています。
この理由は、焙煎が浅いと、「美味しい成分が出尽くして不味い成分だけが出続けている状態」になるのが早いからです。
この写真は300ml抽出する時に50ml毎に器を変えたものです。
一番左が最初の50mlで、以降、右方向に順に並べてます。
左から右にいくにつれ、次第に色や味が薄くなるのは当たり前ですが、順番に飲んでいくとあるところで明らかに「まずっ!」と思えるポイントがあります。
その不味くなるポイントが、例えばフルシティ(深煎り)では左から4つ目なのに対し、ミディアムロースト(浅煎り)では3つ目だったりします。
だから、焙煎度が浅めのコーヒーは、比較的早く淹れ終えることをオススメしています。
早く淹れ終えるやり方には通常2つあります。
1つ目は、抽出のペースをあげる方法です。ハリオのV60円錐ドリッパー等なら落とす速度を調整しやすく、この方法で対応できます。一方、メリタなどの1つ穴で径が小さいものでは、難しいかもしれません。
2つ目は、早々に抽出を止めて、湯で薄める方法です。後で薄めるんだから、粉は多めにして濃く淹れておく必要があります。
この場合の注意点は、薄めるのに使う湯は臭くないものを使うことです。ドリップの場合は湯に臭いがついててもコーヒーの粉の層を通過する時に軽減されるのですが、薄める時の湯はカップやサーバに直接注がれることになるでしょうから、少し気をつかったほうがいいですよ、ということです。
この2つはどちらでもいいと思います。やりやすいほうでどうぞ。
最近、サードウェーブ等の影響か、酸味のある浅煎りのコーヒーを嗜好されるかたも増えてきたように思います。
浅煎りのコーヒーは不味くなりやすいので、以上のことをちょっとだけ意識してみてください。