【濃いコーヒーがいいんだけど】
「甘い」の次は「濃い」に行ってみたいと思います。
「濃いのがいいんだけど」とよくお聞きすることがあります。
店主もどちらかというと、あっさりしたコーヒーより濃いコーヒーが好みです。
似た表現に「コクがある」、「ボディがある」というのもありますが、前者は非常に曖昧で、人によって意味合いも違うように思います。
「ボディがある」は「濃い」とほぼ同じだと思いますが、今回は「濃い」で統一することにします。
【どういうコーヒーが濃いのか】
まず前提として、粉の量、挽き方、淹れ方は同じ条件とします。というのは、一般的に以下の法則があるからです。
・粉の量が多くなると濃くなる
・挽き方が細かくなると濃くなる
・湯温が高くなると濃くなる
・抽出時間が長くなると濃くなる
お客様が店側に聞きたいのは、上記ではなく、豆が持つポテンシャルとしての濃さだと思いますので、以下はそれについて書きます。
基本的に焙煎が進行するに連れて濃さは増してくるのですが、あまりに深く煎りすぎると逆に薄くなるように感じます。(「ボディを失う」と言ったりします。)
そういうわけで、イタリアンローストよりは、フルシティローストかフレンチローストぐらいのコーヒー豆が一番「濃い」を感じていただけると思います。
一番苦いのはイタリアンローストですが、「一番苦い」イコール「一番濃い」では無いということです。
「フルシティローストの中ではどれが濃いか?」については、産地の環境、収穫後の鮮度、品種などの影響があると言われていますが、一概にこうだとは言えません。
その時のラインナップの中でどれかぐらいはお答えできますので、聞いていただければと思います。
【抽出条件での調整は粉の量がオススメ】
なお、序盤に書きましたように、粉の量、挽き方、淹れ方によって濃く調整することは可能です。
ただ、粉の量を増やすのはいいのですが、挽き方、湯温、抽出時間による調整は不味い成分が出やすくなることにもつながるのでご注意ください。
抽出方法に合った条件(挽き方、湯温、抽出時間)にとどめておいて、濃さは粉の量で調整することをオススメします。