認証コーヒー: FLO(国際フェアトレード)認証

前回ずいぶんと間があいてしまいましたが、認証コーヒーの紹介を続けます。
UTZの次となる今回は、現在販売中のマラウィ/チノンゴの”生豆”が認証取得しているFLO(国際フェアトレード)認証です。

認証基準はコーヒーやカカオといった定番はもとより、野菜、フルーツ、綿、サッカーボールなど、幅広くカバーしています。
ラベルが保証するのは以下の項目です。

1. 生産者への適正な価格と長期的な取引
2. 生産者の社会的・経済的な発展
3. 生産物の品質と技術の向上
4. 生産者の労働環境と労働条件
5. 生産地の環境保全

他の認証システムと比較して特徴的なのは1, 2 です。
1 では、国際価格が下落しても、生産者が生産・整形を維持できるよう最低価格を保証することが求められています。
例えば水洗式アラビカコーヒーの場合は、140セント/1ポンドが最低保証価格として定められています。
2では、フェアトレードプレミアムと呼ばれる上乗せ価格が輸出価格とは別に支払われます。
水洗式アラビカコーヒーの場合は、20セント/1ポンドがフェアトレードプレミアムになっています。
フェアトレードプレミアムによって得た収入は、生産者組織が民主的に管理し、社会開発のために使われるように求められています。

ところで、このラベルはみなさんも時々見かけることがあるのではないかと思うのですがいかがですか?
イオンのトップバリューブランドのコーヒー、
スーパー等に置いてある小川珈琲のコーヒー豆、
スターバックスのコーヒーにも1種類だけですが、ラベルが付いているものがあると思います。
このように大手企業がラインナップの一部に認証ラベルをつけてCSRをアピールしたりするのに使っていることが多いのが現状です。

一応、当店のような小事業者向けに監査を不要とした小規模ライセンスも用意されています。
ライセンスにかかる費用はそれほど高くないのですが、焙煎豆にラベルを貼るには、サプライチェーン上にある全ての組織が認証を受ける必要があります。このため、チェーンの末端に位置する小規模店がのっかるには難しいシステムになっています。
実際にマラウィ/チノンゴにラベルが貼れるか調べたことがあるのですが、サプライチェーンで当店の1つ上流にあたる商社AがいきなりNG(非認証)で、あっさり調査が終わりました。

そういうわけで、当店のマラウィ/チノンゴはFLO認証を受けた生豆を焙煎したものではありますが、ラベルは貼っていません。
そんな、マラウィ/チノンゴの特豆期間もあと4日ですので、よろしければお試し下さい。もちろん試飲もできますよ。

フェアトレードだからといって嗜好に合わないものを我慢して買う必要は無く、「買う価値があると思う商品がいくつかあって、その中にフェアトレードのものがあったら少し優先して選ぶ」、それぐらいでいいんじゃないかと思います。

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