コーヒー豆の香りとカップ(抽出液)の香りの関係

当店のコーヒー豆は小瓶に入れて香りを嗅いでいただけるようにしています。実際に嗅いでくださるかたもいらっしゃいます。
当店のコーヒー豆小瓶

ただし、この際、注意点があります。
それは豆の状態で嗅いだ時の香り(強弱と質)は、淹れた液体の香りとは関係性があまり高く無いということです。

まず、最初にコーヒーの香りが3つあることはご存知でしょうか?

1つは豆(粉)の香りで、フレグランス(fragrance)と呼ばれます。
2つ目はその粉にお湯を注いだ液体から漂う香りでアロマ(aroma)と呼ばれます。
3つ目は口に含んだ時に喉から鼻にぬけてくる香りでフレーバー(flavor)と呼ばれます。

当店の小瓶から嗅いでいただけるのはどれかというと1のフレグランスです。
この豆から発する香りの強弱は、焙煎後間もないほど、焙煎が深いほど、ガスが多く発生しますので、強くなる傾向にはなります。
しかし、瓶の蓋を開けた後にまた開けてもまだ香りがたまっていないため弱くなりますので、自宅で楽しむときの香りの強弱にはあまりつがながらないのです。

香りの質に関しては、コーヒーの香りを形成する香気成分は数百種類あり、主要なものだけでも40個程度あると言われています。
産地や品種に特有のものは無く、各成分のバランスの違いで香りの差ができるそうです。
一般に香気成分は水溶性が高くは無く、湯への溶けやすさの違いによって、そのバランスが粉の時とは変わります。
そのため、粉からの香り(フレグランス)とカップからの香り(アロマ,フレーバー)は異なったものになります。

以上のように、小瓶に入った豆の香りと、ご自宅で味わう時のカップからの香りは、質・量ともにあまり一致せず、少し参考になる程度です。お時間あるようでしたら、試飲までしていただくのが、一番参考になると思いますので、ご遠慮なく試してみてください。

コーヒーのフレグランスとアロマとフレーバー