コーヒー豆の焙煎度によって抽出条件を変える理由

Youtube にアップした動画を見ていただいたお客様から、なぜ、シティローストまでと、フルシティロースト以降とで、抽出条件を変えるのか?という問い合わせをいただきました。当然のご質問だと思いますので、以下にご説明します。

コーヒーは可溶成分の20%プラスマイナス2%(つまり18%-22%)抽出されるのが理想と言われています。(参考 Coffee extraction)
この抽出率(ideal extraction yield)より低すぎても高すぎても、香味を損ねることになります。特に長すぎる抽出は、抽出オーバーとか抽出切れ等と言うのですが、コーヒーの美味しい成分は出きっているのに、渋みエグミだけが引き続き抽出される事態になるので要注意です。抽出オーバーを起こす前に抽出を終えることが肝要となります。

当店では焙煎度によってこの理想の抽出率は変わると考えています。
コーヒーの焙煎とはカロリーを与えて成分に化学変化を起こすことなので、焙煎の度合い(どこで焙煎を止めるか)によって当然成分が違ってきます。成分が違うのだから、理想の抽出率も変わって当然という考えです。

具体的には、酸味成分がまだ残っているシティローストまでのコーヒーをペーパードリップで抽出する場合は、2分30秒~3分という比較的短時間で抽出を終えることをオススメしています。短時間で淹れると、当然、コーヒーの香味は薄くなってしまうので、それを補うために、粉の量を少し多めにして180mlの抽出量に対し17gとしています。逆に酸味成分がわずかとなっているフルシティロースト以上の焙煎度のコーヒーでは、比較的長い時間(3分~3分30秒)をかけて、しっかりボディ(コク)や甘みを抽出することをオススメしています。

以上が焙煎度によって抽出条件を変えることをすすめている理由ですが、あくまで当店のコーヒーはこういれてみたらいいと思いますというオススメですので、いろいろ試してみてくだい。他の方法で淹れる場合でも、抽出オーバーを意識して、適正な時間で抽出を終えることを意識すると良いと思います。

もちろん、抽出云々より前に、コーヒーが新鮮なことと、焙煎度が好みにあっていることが大前提なので、お忘れなく。

焙煎度で苦味や酸味の強弱が変わります