コンビニコーヒーより美味しいコーヒーがあふれる街になるために

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか

発売されてから結構たってる本ですが、ようやく読めました。

「コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか」

高級ホテルだけでなく、素晴らしい料理を提供してくれるレストラン等でもコーヒーだけイマイチということがよくあります。

しかも、コーヒーは食事の最後に出てくるので、コーヒーが全体の印象を悪くしてしまう事があります。

この本を読んで、どうすれば、もっと美味しいコーヒーが街に溢れるようになるかを考えてみました。

【高級ホテル、レストランのコーヒーがコンビニより不味い理由】

内容を簡単にまとめると、①材料のコーヒー豆が粗悪品、②まとめて淹れて作り置き、という当然の理由が書かれています。

さらに①の背景として、大手コーヒー業者が、抽出機械を無償で貸し出して、代わりに継続的に低品質な豆を卸すという、商習慣が挙げられれています。

神戸は営業力が強そうな焙煎業者が多く、この商習慣が根強いのかもしれません。

コンビニコーヒーより美味しくないだけないならいいのですが、コーヒーの価格はコーヒーの品質では無く提供する側の格で決められます。

そのため、不味いのに高いコーヒーが、高級ホテルやレストランで提供される事になるわけです。

【コンビニコーヒーより美味しくなるには(提供側の立場)】

提供側の方がコンビニコーヒーを飲んでみて、自店より美味しいと思ったら、真摯に受けとめて、良くしていただくのが一番いいと思います。

無料でないのなら、コンビニに負けないほうがいいと思います。

商習慣、業者との長い付き合いといった障害はあると思いますが、お客様に喜んでいただく事のほうが勝ると思うんです。

【コンビニコーヒーより美味しくなるには(利用者側の立場)】

上記のように提供する側が気づくとは限りません。

コーヒーに関心が無いと、味の違いなんてわからないものです。

俺が100万円するエルメスのバッグを手にとってもその価値がわからないと同じです。

もし、お知り合いのお店や、常連として通っているお店でそういうことがあったら、ぜひ以下のように伝えていただきたいと思います。

「料理は美味しかったけど、コーヒーがちょっと残念」とか。

「コーヒー以外はパーフェクトだった」とか。

言いにくいですかね(^_^;)

でも、これは「酷評」では無く、お店のことを想った「愛ある感想」だと思います。
お店の人にしても、単に、「ごちそうさまでした。美味しかったです。」というような真意がわからない言葉より、率直なコメントのほうが有難いものです。
そして、愛のあるコメントには、愛で応えて、コーヒーを美味しくしてくれると思います。

【良いコーヒーが溢れる街に】

高価なコーヒーなのに美味しくないという経験をしてしまうと、「コーヒーに金かけてもそんな程度」と思い、家で飲むコーヒーも「スーパーの一番安いのでいいや」となってしまうと思います。

逆にコンビニコーヒーがきっかけとなって、外飲みコーヒーが美味しくなれば、家飲みコーヒーも美味しくなっていくと思います。

2019年にはラグビーワールドカップが控えています。

観戦にやって来た外国人がコーヒーをスタバばかりで飲んでる・・・・

そんな状況にならないように、コーヒーのレベルが底上げされていくといいなぁと思ってます。

冷蔵庫が空きました( ´∀`)ノ

「のむ大豆」しか入ってません。

「のむ大豆」しか入ってません。

10月3日でアイスドリンクの提供を終了しました。
これによって店内の冷蔵庫がガランと空きました。

入ってるものといえば、個人的に必須アイテムの「のむ大豆」ぐらいです。

「それがどうした?」と思われるかもしれませんが、コーヒー豆のお客様にとっていいことがあるんですよ!

【試飲には多少の時間がかかります】

当店はコーヒー豆をご検討中のお客様に試飲サービスを提供しています。

湯をわかすところからスタートして、淹れ終わるまでに約5分かかります。

そして、それを飲んでいただくのに5分ぐらいかかるでしょうか。

つまり、コーヒー豆1種類を試飲していただくのにだいたい10分かかるわけです。

【こういう場合にご利用いただけます】

当店周辺には市場やスーパーがあり、買い物途中で来られるお客様もいらっしゃいます。

「試飲してみたいけど、肉を買ったから早く帰らないと・・・」

「牛乳を買ったから早く家の冷蔵庫に入れないと・・・」

そんな事がなかったでしょうか?

そういう時に、空いた当店の冷蔵庫にお預かりさせていただきたいと思います。

冷凍庫のほうはコーヒ豆を入れてるので、あまりスペースがありませんが、アイスクリームぐらいなら保管できます。

お買い物途中でも、ゆっくり試飲していただければと思ってますので、ぜひお気軽にお申し付けください( ´∀`)

ここぞという時の微粉除去コーヒー

コーヒー豆の微粉を茶漉しで取り除きます。
コーヒー豆の微粉を茶漉しで取り除きます。
コーヒー豆の微粉を茶漉しで取り除きます。

良いミル(グラインダー)の条件に、均一のサイズに挽ける事というのがあります

でも、どんな良いミルでも、コーヒー豆を粉砕するのだから、パウダー状の微粉は出ます。

この微粉を取り除いてから抽出すると、よりクリーンなコーヒーになりますので、紹介します。

【取り除き方】

茶漉しで振るうのが簡単です。1分もシャカシャカやれば十分でしょう。

「美味しんぼ」に、米粒の大きさを揃えてから炊く究極のご飯というのがありましたが、それに比べるととても簡単ですね。

【取り除く価値】

取り除く価値があるかは、取り除いたものと取り除いていないのを比較するのが一番です。

ただし、抽出(淹れ方)がブレると、何による違いかわからなくなってしまいます。

うちの場合、こういう時はコーヒーの粉と湯を混ぜて、一定時間放置したものをペーパーフィルタで濾します。
そうすることで、淹れ方によるブレを少なくできると考えています。

微粉を取り除いたコーヒーと取り除いていないコーヒー

さて、風味の違いですが、取り除いたほうがクリーンな味わいになります。
一般的にはこちらを好む人のほうが多いと思います。

淹れた直後はわかりにくくても、冷めるにつれ顕著になります。
また、焙煎度が浅いほうが違いが大きいように感じます。

外観は、微粉を取り除いたほうが濁りが少なくなって、明るく見えることがあります。

【適用場面】

1分程度の作業ですので、頑張って毎回取り除いてもいいと思いますが、俺はやってませんΣ(´∀`;)

出番は、やっぱり、誰かをもてなしたい時ですね。

年1回の帰省時に親に淹れる時とか、遠方からの客人をもてなす時とか、そういう時にいかがでしょうか。
目の前でやると、演出効果もあるかもしれません( ´∀`)

大切なあの人と、ハッピーなコーヒータイムを楽しんで下さい。

大事な人とハッピーなコーヒータイムをお過ごしください!
大事な人とハッピーなコーヒータイムをお過ごしください!

スイーツ用コーヒーパウダーの試作

アイスクリームにコーヒーパウダーをかけてみました

アイスクリームにコーヒーパウダーをかけてみました

今日は蒸し暑かったですね。
「こんな暑い日はアイス!」というからアイスクリームの写真を載せてるわけではありませんΣ(´▽`;)

先月の事ですが、洋菓子を作られているお客様にティラミスに振りかける用途でコーヒー豆を購入していただきました。
その際に、どのコーヒー豆がむいてるのか、挽き方はどうすればいいか、あまりアドバイスができず悔しい思いをしました。
そういうわけで、ちょっと試してみることにしたわけです。

今回は、ティラミスでは無く、手に入れやすいスーパーカップのバニラを使ってみました。
正直言って、このアイスを完食するのはしんどいのですが、コーヒーパウダーをかけると、最後まで飽きずに食べ切ることができました。

予想以上に相性がいいように感じたので、こちらに書くことにしました。

【コーヒー豆はどれがいいのか?】

ここでもキーになるのは焙煎度だと思いましたので、ミディアム~イタリアンローストまで6種類の焙煎度の豆で試してみました。

甘いアイスクリームなので、最も苦いイタリアンローストぐらいが最適と予想してましたが、ハイロースト~フルシティロースト(中煎り~中深煎り)ぐらいが嫌味がなく美味しく感じました。

【挽き方は?】

これは超々極細挽きがいいです。

エスプレッソ用の極細挽きではまだ荒いです。
少なくともターキッシュコーヒー用ぐらいの超極細挽き、可能ならもっと細かい超々極細挽きがいいと思います。
ココアパウダーぐらいのイメージです。

【当店での対応は?】

現状、このコーヒーパウダーをうちの店で作ることは困難です。

うちで通常使用しているミルは、細かく挽くのは得意じゃなくて、エスプレッソ用に挽くこともできません。

エスプレッソ用をご要望の場合は、細挽きを得意とする家庭用ミルを使って凌いでますが、100gで一杯一杯です。

それよりもっと細かいものを100g作るというのは現状は対応できません。

今後ミルをパワーアップさせるつもりはありますので、対応可能になったら、またお知らせしようと思っています。

でも、今回のようなアイス1個程度なら、豆は数グラムで十分なので、それほど苦労せず挽けると思います。
もし、細かく挽けるミルをお持ちでしたら、試してみたら面白いかもしれません。

よろしければヽ(  ´▽`)ノ

ただのアンカリングです

10年ほど前にNLP(神経言語プログラミング)というセラピーの手法が流行ったのですが、ご存知でしょうか?

「脳の取扱説明書」なんて言われたりもしてるやつです。

個人で書籍などで学んだり、サラリーマンなら勤務先の研修で習った事があるかたもいらっしゃるのではないかと思います。

アンカー(いかり)
これはルミナス神戸のアンカー(いかり)です。

【アンカリング】

その中の手法の1つに、アンカリングというのがあります。

いい状態(物事に集中できている状態、最高のパフォーマンスを発揮できている状態など)の時に、特定の行動(同じ写真を見たり、同じ音楽を聞いたり、同じジェスチャーをしたり)をとって、その状態と行動(アンカー)を結び付けます。

そして、大舞台で緊張しているときなどに、その行動を行うことで、いい状態に遷移することができるというものです。

俺はこのアンカリングを今更ながらやってまして、コーヒー豆の焙煎がうまくいって豆を取り出す時にガッツポーズしています。

何か緊張するようなシチュエーションになった時に、ガッツポーズすることで、この時の集中した状態を呼び起こそうという魂胆です。

残念ながらそのようなシチュエーションは今のところないです。

でも、日々の焙煎でガッツポーズするためには、きっちりした操作やデータ記録を粛々とやり続ける必要があるので、良い焙煎には貢献している気がしてます。

ガッツポーズ
俺のアンカーはガッツポーズです。没個性ですね Σ(´∀`;)

 【で、何が言いたい?】

「で、なに?」という感じですよね。

別にNLPやアンカリングをオススメしたいわけではありません。

今回言いたかったことは、
「店の前を通った時に、中でオッサンが大げさにガッツポーズしてても気にしないでね!」
ということです Σ(´∀`  )

どうぞよろしくお願いします。

なぜ濃くならない?

濃いコーヒーが好きというかたが多いです。
俺も濃いコーヒーが好きです。
特にこれから寒くなってくると、熱くて濃い一杯が恋しくなりますね。

コーヒー豆は焙煎が深くなると苦さが増していきます。
苦さと濃さは別物ですが、基本的には濃さも焙煎が深くなると増します。

なので、「前回より濃いのを」とおっしゃるかたには、より深い焙煎度の豆をオススメするのですが、稀に「あまり前と変わらなかった」というお話をいただきます。

そういうわけで、今日のタイトル「なぜ濃くならない?」です。

strong coffee

【焙煎が深くなると濃くなる理由】

はっきりとしたことは言えませんが、焙煎が深くなると濃くなるのは、こういう理由だと思われます。

焙煎が深くなるにつれ、コーヒー豆は膨らんで大きくなります。

なので、同じ重量の焙煎豆で比較すると、深煎りのほうが、表面積が大きく、湯をかけた時に成分が抽出されやすくなると思います。

また、焙煎が深くなるにつれ、コーヒー豆の重量は目減りしていきます。
逆に言うと、焙煎豆の重量が同じなら、焙煎度が深いほうが元の原料(生豆)の重量は多いということになります。

表面積が大きくて、原料の量も多い。
いかにも濃くなりそうじゃあーりませんか(;´∀`)ゝ”

【濃くならない理由】

それにも関わらず、濃くならないのは何故か。

上に朱書きで書いてますように、豆の焙煎度が深くなるに連れて抽出液が濃くなるのは、焙煎豆の重量が同じ場合の話です。

「メジャースプーンすりきり1杯」というように体積で測っている場合は、深煎りのほうが重量が軽くなってしますので、上記はあてはまりません。

もし、体積でコーヒー豆の量を測っているなら、キッチンスケール等を使って重量で測るように変えてみるというのは、試す価値がありません。

はずしてたらスミマセン。
お好みの濃さに近づくことを願っています( ´∀`)つc□~

重さで測ってみて下さい( ´∀`)
重さで測ってみて下さい( ´∀`)

遺伝子のせいにする前に

【コーヒーの好き嫌いは遺伝子で決まる?】

数日前にイタリアの研究チームから、コーヒーの好き嫌い(摂取量)はある遺伝子の発現量と相関関係があるという発表がありました。

PDSS2 という遺伝子の発現量が多い人はコーヒーが苦手(飲む量が少ない)とのことだそうです。

参考論文 Non-additive genome-wide association scan reveals a new gene associated with habitual coffee consumption.

お酒でも同様の有名な話がありますね。
酒に強いか弱いかは、アセトアルデヒドを分解できるかどうかということで、それは遺伝子によって決まっているというやつです。

今回の発表を見聞きして、コーヒーが苦手な人は「私は元からだめなんだ」と思われるかもしれません。

まあ、その可能性もあるかもしれませんが、でも実は別の要因でコーヒーが苦手と思い込んでるだけということもあると思います。

DNAの配列で決まる?
コーヒーの好き嫌いはDNAの配列で決まる?

【一口にコーヒーといってもその成分には差異がある】

それは、ひとくくりにコーヒーといっても、以下のような理由で、その成分にはかなりの差異があるので、たまたま自分に合わないコーヒーを飲んでいただけなのではないかということです。

1) 焙煎による化学変化

焙煎によってコーヒー豆を構成する成分は大きく変わります。
当然、その豆から抽出したコーヒー(液)にも差異が出ます。

2) 焙煎後の経時変化

水分と反応することによる劣化(ステイリング)や、油脂の酸化によって成分が変わります。

【遺伝子のせいにする前に】

そういうわけで、遺伝子のせいにする前に試していただきたいのは、まず焙煎後まもないフレッシュなコーヒー豆を手に入れてコーヒーを淹れることです。
できれば焙煎後1週間以内のものがいいと思います。

その上で、異なる焙煎度(浅煎り、中煎り、深煎り)を試されることです。
焙煎度が違えば、味だけで無く成分も違いますので、もしかすると、中煎りはダメだったけど深煎りなら美味しく飲めるということもあり得ると思います。

コーヒー豆: ブラジル ダテーラ ヴィラ
焙煎度が違えば味だけでなく成分も差異があります。

【おわりに】

ちなみに俺はコーヒーはいくらでも飲めるけど、アルコールはダメな遺伝子のようです。
お酒は好きなんですが、1杯飲むと体中に赤い斑点が現れ、2杯以上で頭痛がします。

でもアルコールを拒否する体に生まれてきたおかげで、健康を害したり、酔って醜態をさらしたりせずに済んでいるように思います Σ(´▽`;)

今日は敬老の日。
もう夕方ですが、「コーヒーはOK, アルコールはNG」というナイスな遺伝子を与えてくれた両親に感謝しながら、残りの時間を過ごしたいと思います。

皆様も、良い夜を (´∇`)