コーヒーの品種

今回はコーヒー豆の基本情報に記載している事項の中で、まだ説明してなかった品種についてとりあげます。

コーヒーにもワインのぶどう品種や野菜のように品種があります。
店主はワインは飲みませんが、聞くところによると、ワインは品種特有の香気が強く、飲めばその品種が何かわかるらしいですね。
野菜も、最近読んだ農業本「キレイゴトぬきの農業論」によると、「旬、品種、鮮度」が美味しい野菜の3条件だそうです。
いずれも品種が重要なファクターであることがわかります。
これらに対して、コーヒーは品種による個性が香味表れにくいのが特徴となっています。

同じ品種でも、気候や土壌の違いによって、チェリーの種は違うものになるでしょうし、何より収穫してからの「チェリー→生豆」、「生豆→焙煎豆」のプロセスのほうが、香味に与える影響が大きいのです。乱暴に言うと「獲ってからが勝負」なのがコーヒーなんですね。

実際のところ、アラビカ種のコーヒーを飲んで、その品種がアラビカの中の何かを言い当てるのは、ほとんど不可能ではないかと思います。

そういうわけで、品種でコーヒーを選ぶのはあまりオススメはしておりませんが、各コーヒー豆の基本情報としては、把握できる範囲で提供させていただいております。

コーヒーの3原種と呼ばれるのが、アラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種です。リベリカ種は現在では生産量が少なく僅かとなっています。またカネフォラ種はコストコントロールのためにインスタントコーヒーや缶コーヒーに「混ぜ物」としてよく使われる品種です。
当店のような自家焙煎のコーヒー豆屋では一般にアラビカ種のみを扱います。

さて、そのアラビカ種の系統について、当店で提供しているコーヒーに関係する部分を中心に、簡単な品種のツリー図を作って、現在提供中のコーヒー豆をマッピングしてみました。
(といっても、今のラインナップで品種が限定されているのは3つだけです。)
コーヒー品種ツリー (アラビカ)
(図をクリックすると原寸図のあるページに遷移します。)

アラビカ種には大きくティピカ種とブルボン種から派生するグループがあります。
(ゲイシャなどどちらでもないものもあります。)
ペルー モンターニャベロニカはティピカ、グェテマラ ラ・アゾテアはブルボン、ウガンダ ムバレ は SL28というブルボンの子孫の品種です。
大まかな特徴として、ティピカ系はさっぱり甘味だとか、ブルボン系は濃厚なボディ酸味とか言われることが多いです。
でも何度も言っておりますように、これらの味は焙煎によって作られる割合のほうが大きいので、あまり品種にこだわり過ぎることなく、コーヒーを選んでいただいたほうがいいと思います。

古物商はじめました(正式に)

夏休み中に古物商の許可が下りましたので、正式に古物商として営業できることになりました。
申請・許可は拍子抜けするほど何事も無く終わりましたので、これからとられるかたは自分でとってコスト削減してみてはいかがかと思います。

古物商正式スタートを祝し、Fire-Kingのマクドナルド グッモーニンマグを大量に仕入れました。
刻印は晩年の Anchor Hocking のみ(Fire-King の文字は無し)のやつです。
価格はこれまで(真っ白1,800円 / それ以外2,400円) 同様に2,400円です。
なかなかお買い得ではないかと思いますので、見てみて下さい。
マグはマクドでも、中身は当店のコーヒー豆から抽出した液体を入れていただけると大変嬉しく思います。(^^)

せっかく営業許可をいただいたので、Fire-King にかぎらず、コーヒー&ベーグルのあるライフスタイルにマッチするものがあれば「何屋やねん?」と言われない程度に紹介していきたいと思います。
FIre-King 販売再開しました。

Room for milk

「Room for milk」ってご存知でしょうか?
海外のカフェなどでコーヒーをオーダーした時に、店員さんから「ルフォミ?」みたいな感じで早口で尋ねられ、「なんのこっちゃ?」と思ったことないですか?
これは「Room for milk?」つまり、ミルクを追加するためのスペースをカップ上部に空けておくかどうかを聞いています。
よく日本人は質問の意味が理解できていないのに「YES」と言ってしまいがちですが、このケースでは注意して下さい。
適当に「YES]と答えてしまうと、コーヒーの量を減らされてしまいますよ。たまたまミルクをたっぷる入れるつもりだったなら結果オーライですが。

前置きが長くなりましたが、当店のコーヒーゼリーにはこの Room for milk が確保してあります。
コーヒーと違ってゼリーはその場で量を減らしたりできないので当然ですよね。
ご要望があればクリーム(コーヒーフレッシュ)をお付けしていますが、オススメは自宅に戻られたらご自分でこの Room for milk にあふれんばかりの牛乳を入れて召し上がっていただく方法です。
こちらがお付けできるクリームはよくある乳成分が全く使われていないタイプ(non-dairy cream)ですので、トランス脂肪酸がどうとか気にされるかたには特に牛乳をオススメします。
Room for milk?

コーヒー豆の加工方式 (5) パルプドナチュラル (Pulped Natural)

パルプドナチュラルではぬめり(ミューシレージ)が残った状態で乾燥させます。

本日より販売開始したブラジル ボンジャルディンはパルプドナチュラルという方式で加工・精製された生豆を当店で焙煎したものです。
ナチュラル、ウォッシュド、スマトラ式とコーヒー豆加工方式の説明を続けてきましたが、パルプドナチュラルはまだでしたので、紹介させていただきます。
パーチメント、ミューシレージいった用語は初回記事をご参照下さい。

パルプドナチュラルの方式では以下のプロセスでコーヒーチェリーから生豆へと加工されます。

  1. 収穫
    まずは赤く熟したチェリーを摘み取る
  2. 果肉除去
    チェリーの果肉をパルパー(果肉除去機)にて除去する
  3. 乾燥
    ぬめり(ミューシレージ)のついたままのパーチメントコーヒーをそのまま乾燥する
  4. 脱殻
    十分に乾燥してカリカリになったところを脱殻する

 

パルプドナチュラルはブラジルで開発された方式です。
伝統的なナチュラルと比較し、果肉除去のプロセスで異物や不良豆が取り除かれるため、精製度を高められるというメリットがあります。
また、果肉がついたまま乾燥させるナチュラルと、ミューシレージのみが付着した状態で乾燥させるパルプドナチュラルでは、風味の質にも差が出てきます。

パルプドナチュラルではぬめり(ミューシレージ)が残った状態で乾燥させます。

コーヒーの生産地毎の旬

ネット全盛の世の中ですが、まだまだテレビの影響は大きいですね。
先週放送の「こんなところに日本人」をご覧になったかたから、毎日のように東ティモール/レテフォホの問い合わせをいただいています。
しかし、残念ながら現在当店にレテフォホのコーヒーはありません。
置いていない理由は東ティモールのコーヒーは今が旬ではないからです。

当店ではコーヒーも農作物なので収穫し生豆に精製されたあとは、早く焙煎してお客様に飲んでいただきたいと考えています。
コーヒーは産地によってだいたいの収穫時期が決まっていて、東ティモールのコーヒーは夏から秋にかけて収穫され、日本に入ってくるのは冬以降になります。
昨年収穫されたものなら、今からメールで注文しさえすれば、来週から再販することも可能なわけですが、それよりは、別の生産国のコーヒーの中から今年収穫されたものを選んで仕入れたいのです。そういうわけで、先月に生豆が無くなった時に、再度仕入れることは敢えてしませんでした。

各生産国のコーヒーがいつ収穫され、消費国に入港、焙煎されるのかについては、以下を案内します。Sweet Maria’s というアメリカの生豆屋さんのWEBサイトです
World Coffee Production Timetable, Availability

大まかには地域で分かれていて、北半球の場合11月~翌年3月の期間に収穫、精製を終え、早いものは3月出港し、日本には5月以降に到着します。赤道直下のコロンビア、ケニアなどは年に二回収穫時期があります。
このように産地ごとの収穫時期、入港時期を意識してると、そのうちコーヒーで季節感が味わえるようになってきますよ。日本に届いたばかりのグァテマラのコーヒーを口にしながら「もうすぐ夏だなぁ」とか。

さて、上記URLにも掲載されていますが、東ティモールは今まさに収穫時期です。冬になって日本に届けば、できるだけ早く仕入れて皆様に紹介したいと思っていますので、よろしくお願いします。

体がよろこぶ! 旬の食材カレンダー (Sanctuary books)

イタリアンローストでも・・・

イタリアンローストは当店のコーヒーの焙煎度では最も深い度合いです。
最も高い温度まで焙煎して煎り止めており、焙煎豆の色は最も黒っぽくなっています。

従来、イタリアンローストはロブスタ種という香味評価の低い品種の生豆や、アラビカ種であっても低品質な生豆を使うことで、原価をおさえて作られるのが一般的でした。
その理由は主に2つあります。

1つ目は深くまで煎るとコーヒー豆本来の香味が薄れ不味さが誤魔化せることです。
2つ目として、焙煎が進むにつれてコーヒー豆の目減りが大きくなっていくので、最も深くまで煎るイタリアンローストに高価な豆を使うのはもったいないということもあったようです。

上記はたしかにそのとおりなのですが、イタリアンローストでも加工・精撰方式の違いや、物理的品質の違い、焙煎後の鮮度の違いなどによって差異はやはり出てきます。

当店では8月の特豆としてエチオピア イルガチャフィをイタリアンローストでも提供しておりますので、現在イタリアンローストはブラジル パライソと合わせて2種類あります。
せっかくイタリアンローストが2種類あるので、今月はテイクアウトのアイスコーヒーで使うイタリアンローストのコーヒーも2種類を交互に使うことにしています。
香りが出にくいといわれる水出しアイスコーヒーでも、ほとんどの人が判別できるだろうと思われるぐらいの、香りの違いはあります。

現在提供中のアイスコーヒーがどちらの豆を使っているか表示するようにしていますので、オーダーの際にはぜひチェックしてみてください。
今日は何の豆で作ったアイスコーヒーか表示しています

Fire King 販売休止します

営業開始当初から販売していたFire Kingのマグですが、当面販売を休止することにしました。
理由は古物商の営業許可が無いからです。

恥ずかしながら、そんなものが要ることを全く知りませんでした。
なんでも、自分が新品で買ったものを中古品として販売するには要らないけど、中古品を仕入れて販売するには必要ということらしいです。
これに従うと、ブルセラショップやるにも必要ということになります。

早速、昨日の定休日を利用して、申請してまいりました。
当方大阪が本籍のままなので、三宮(警察署)、梅田(大阪市サービスカウンター)、元町(法務局)、再び三宮(警察署)と行ったり来たりでしたが、なんとか手続きを終えました。
自分は結構苦労しましたが、神戸に住民票、本籍ともにある人なら、法務局も近いし、行政書士さんに何万円もお支払いして代行していただかなくても自力で簡単に申請できると思います。

何事も無ければ、9月には販売再開できるはずです。再開に備え、商品を拡充しておこうと思っていますので、お楽しみにお待ちください。
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