許容範囲

個人店をやっていると、毎日のように向き合っていくことになるのが許容範囲です。
うちの場合はコーヒー豆とベーグルを自店で作っているので、この2つの品質がお客様に出せる許容範囲内にあるのかを日々問い続けて営業しています。
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ベーグルは妻と二人で許容範囲にあるか否かを判断します。一方、コーヒーは妻は飲まないから自分一人で決めます。

零細個人店に企業のような「社内レビュー」とか「上司の判断をあおぐ」とかは当然ありません。
お客様による受入検査もありません。飲食料品ですので、品質が良くないと、口にしたお客様ががっかりして、信頼を失って終わることになります。

昨日はとあるコーヒー豆の煎り止めタイミングが少し早まってしまいました。豆の外観(色、シワの伸び具合)は許容範囲におさまっているように感じたのですが、数時間置いてから香味をテストした結果、NGとしました。
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材料費も、準備&焙煎に費やした時間も無駄になるので、バッサリNGにするのは、正直なところ、ためらいます。

でも、その後、焙煎し直した豆をお客様にお渡ししていると、バッサリいってよかったなと思います。堂々とお渡しできますもん。多少の損失が有っても、うしろめたさが無いほうが気分スッキリです。

とはいっても高級生豆3Kgの損失は痛いので、当分は食費を節約して補填することにします。そういうわけで冒頭のオートミールでした。

同じことをやらかしてたら「学習能力の無いやつ」になってしまいますので、許容範囲を外さないように、しっかり対策を練って明日からやっていく所存です。

コーヒー豆用容器の選び方

コーヒー豆の保存容器としてフレッシュロックをあつかっていましたが、完売しましたので、新しくタイトロックという容器を扱うことにしました。

コーヒー豆が約150g入る容器です。
タイトロックにはコーヒー豆が約150g入ります。

フレッシュロックは保存用で、運搬にはあまりむいてませんでした。

しかし、当店は地球温暖化抑止にわずかでもつながればと容器の持参&リユースを促進しています。そのため、今回は運搬用途でも使ってもらえるものにしようと思いました。

そこで、以下のように保存用途だけでは無く、運搬用途での要件、当店特有の要件も加味して選びました。

みなさまが容器を選ぶ場合も、まず、目的が運搬なのか保存なのか両方なのかを決めて、その用途にあったものを選んでみてください。

運搬用途での要件

・軽いこと
・かばんの中でこぼれないようにロックできること

しっかり4点でロックできます。
しっかり4点でロックできます。

保存用途での要件

・液体が漏れないレベルの密閉性があること
・(冷凍するなら)冷凍に耐えれること
・(冷凍するなら)蓄熱性が低いこと ←高いと冷凍庫から出した時に吸湿しやすくなります。

パッキンがあるので液漏れしません。
パッキンがあるので液漏れしません。

当店特有の要件

・繰り返し使えること(使い捨てでは温暖化抑止につながらないので)
・ベーグルも入ること(ベーグルも売ってるので)

ベーグルも入ります。1個だけご購入の場合にぜひお使い下さい。
ベーグルも入ります。1個だけご購入の場合にぜひお使い下さい。

今回は不要としたこと

・遮光性 ←どこに置くかによるかと思いますが、暗所に置くのならいらないです。遮光性と引き換えに、蓋をあけないと中が見えないというのも不便ですし、今回は不要としました。
・容積を調整する機能 ←入れるものの量に合わせて、内蓋などを使って容積を増減する機能です。空気を減らしてシールできる袋などもこれに当たります。
酸素の影響を抑えるには1%未満にできるか否かが勝負と言われています。酸素を窒素に置換するなどしてゼロに近い状態にできない限りはあまり意味が無いように思えます。

以上ですが、ご参考になれば幸いです。

【簡単レシピ】オムレツ(厚焼き玉子)ベーグルサンド

プレーンを買って帰ったが冷蔵庫にクリームチーズが無い!
そんな時のために、簡単にできるオムレツサンドを紹介します。5分でできます。

【材料】

プレーンベーグル (他店のでも可)
・生卵(LLサイズ) 1個
・牛乳 30g (大さじ2杯)
・スライスチーズ 1枚
・ケチャップ 少々

【手順】

1. 電子レンジで利用可能な円形容器に生卵(LLサイズ), 牛乳30g(大さじ2杯)を混ぜたものに、スライスチーズをちぎって入れる。
※今回はジップロック スクリューロックを利用しました。

2. ラップをかけて、電子レンジ 600W で1分加熱。一旦、取り出してかき混ぜてから、再度600W1分加熱。オムレツの完成。

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3. スライスしたベーグルにオムレツをのせて、ケチャップをかける。

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4. はさんで完成。

オムレツ(厚焼き玉子)ベーグルサンド

スクリューロックはこのために開発されたんじゃないかと思えるほどサイズピッタリでしょ。(そんなわけないですが。)
野菜、ハム、ツナ、スパイスなどを加えたり、牛乳を豆乳に変えたりと、いろいろアレンジできますので、お試し下さい。

ジップロック スクリューロック 300ml 2個入
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コーヒー豆の焙煎度はどうやって決めてるか?

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本日から東ティモール レテフォホのニュークロップ(15/16)を焙煎&提供開始しました。

焙煎度は13/14がシティロースト14/15はフルシティローストでした。
どちらかも当店のコーヒー豆としては人気商品となりましたが、どちらかというと後者のほうが好評だったように思います。
では、今回の15/16はというと、今までで最も浅いハイローストで当面は焙煎します。

最近は家で焙煎されているお客様も結構いらっしゃって、当店がどうやって焙煎度を決めているのか興味を持ってくださるかたもいらっしゃるので、そのへんを書いてみることにします。

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当店ではミティアムローストからイタリアンローストまで6種類の焙煎度で煎り分けています。

ネットの情報やウンチク本などを見ていると、10種類以上にもおよぶ異なる焙煎度で煎り止めて、カップ(テイスティング)して、その中でベストポイントを選ぶというものが出てくるそうです。
10パターン以上も試すとなると、豆だけでなく、相当な時間や労力がかかりますが、全ての豆に対して本当にそれをやっておられるのでしょうか?

当店はというと、そのようなことはやっておりません (^_^;)
自分用のコーヒーや、焙煎から抽出まで一貫して自店でやるようなカフェなら、そこまで自身(自店)の主観にこだわってもいいんだと思います。「これがうちの味だ!」ってな具合で。
でも、当店は豆屋で、淹れるのは一般家庭や飲食店のかたです。
店主の主観で商品を作るより、客観的に選んでいただける商品ラインナップ、お客様のニーズにあった商品ラインナップを心がけることのほうが大事だと思ってます。

そのような考えなので、大雑把には以下の様な感じで焙煎度を決めています。

・まず、ミディアム,ハイ,シティ,フルシティ,フレンチ,イタリアンの6種類全て揃えることを大前提にする。
・次に、お客様の嗜好に合う焙煎度の商品をより厚く揃えるよう焙煎度を割り当てる。

「この豆は柔らかくて深煎りにするとスカスカになってしまうから浅めにしておこう」ぐらいは考慮しますが、ほぼ、上記のような感じで決めてます。

今回の東ティモールも「ハイローストを絶やさないためにハイローストにしました」ぐらいのところです。
でも、お客様からフルシティで煎ることへの期待を感じてますので、「空き」ができたらフルシティでも焙煎&提供する計画ではいます。

東ティモール レテフォホは最初はハイローストで提供することにしました。
東ティモール レテフォホは最初はハイローストで提供することにしました。

「え、そんなんで決めてるの?」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
でも、そんなところにこだわっていては、豆屋はできないと感じています。むしろ、こだわるべきではないと思うのです。
鮮度、コスト低減、情報提供など、頑張るべきところは他にいろいろあると思います。それらにリソースを注いだほうがお客様には喜んでいただけるように思っています。

あくまで、豆屋の立場ではこういう回答になってしまいますが、ご自宅で焙煎されるかたが「マイ・ベスト・ポイント」を極めようと、いろいろ試すことを諌めているわけでは、もちろんありません。
ご自分の豆、道具、時間を使うのですから、気の赴くままに楽しんでください。
Enjoy Roasting!

フルマラソン前の「コーヒー断ち」は有効か?

先週末、今週末とフルマラソンやトレランの大会があって、それらに出るランナーがチラホラと来店してくださってます。ありがとうございます。
マラソンについて談笑する中で、コーヒーに含まれるカフェインの利尿作用を気にして、「コーヒー断ち」までやっているかたもいらっしゃいました。
神戸マラソンの「サブフォーブレンド」ポットサービスも、「飲んでみたいけどレース前にコーヒーは・・・」と気にして利用されないかたもいらっしゃいました。

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自分がマラソン大会によく出てた頃は、自分なりに「コーヒーを断つ必要は無い」という結論にいきつき、レース前も普段と変わらず1日4~5杯のコーヒーを飲んでました。
フルマラソン当日も、大体以下のような感じでレースに臨んでましたが、途中でトイレに行きたくなるようなことは無かったです。

4:30 起床
5:00 朝食をとって食後にコーヒーを飲む
7:00 スタート前最後の飲料摂取
8:30 スタート前最後のトイレ
9:00 スタート
(レース中、4回ぐらい給水)
13:00 フィニッシュ

ですが、冒頭のように、気にされるかたもいらっしゃいますので、あらためて、新しめの情報を元に調べてみることにしました。

8 Things Runners Should Know About Coffee | Runner’s World (June 5, 2013)

Caffeine: Is It Truly Dehydrating? | Competitor (July 7, 2014)

検索して出てきた中から、信頼できそうな海外大御所ランニングサイトの最近の記事(上記2つ)をざっくり読んでみました。どちらも概要は以下のとおりであまり気にしなくて良さそうです。

「コーヒーによる利尿作用は水などのカフェインレスの飲料とほとんど差は無い」

わずかに影響があるとしても、飲んでから3時間後ぐらいまでだそうなので、少なくとも、前日からコーヒーを断つようなことは意味が無いように思えます。

思うに、緊張してトイレ行きたくなったのをコーヒー飲んだせいと思ってしまったりとか、あるいは、「カフェインを摂るとトイレ行きたくなる」という思い込みが、実際にそういう状態を引き起こしたりするのではないでしょうか。

個人差もあるとは思いますが、ざっと調べた限りではそんなとこでした。
なお、利尿作用以外の観点での影響については、今回は全く考慮していません。
ご参考までに。

「こうべガーデンカフェ」で東ティモールのコーヒーがデビュー予定です

東ティモール レテフォホ

待ちわびてた東ティモールのコーヒー生豆のニュークロップが今日無事に届きました。

他のコーヒ豆との兼ね合いで、店頭での提供はもう少し先になりますが、先行して、来週 11/23 に「こうべガーデンカフェ」で「世界のごちそう パレルモ」さんからドリンクメニューとして提供していただけることになりました。

【東ティモールのコーヒーとの関わり】

元々、東ティモールのフェアトレードコーヒーの営業ボランティアをやっていた経緯があり、コーヒーの産地としては思い入れが強い国です。
毎年仕入れて焙煎&販売しているだけでなく、アースデイ、ロハスフェスタなどのイベントでも常に東ティモールのコーヒーを使ってきました。
映画「カンタ・ティモール」の上映会でも大阪で1回、神戸で2回、2013年から3年連続で東ティモールのコーヒーを提供させていただいてます。

東ティモール レテフォホ
待望の東ティモールのコーヒー豆が無事届き、思わずバックドロップの絵。

【ガーデンカフェとの関わり】

また、ガーデンカフェというイベントも過去に何度か接点があります。
営業ボランティアをやっていた2011年のガーデンカフェはみなとのもり公園での開催でした。
営業にうかがったお店のかたが、こうべガーデンカフェで東ティモールのコーヒーを使ってくださるという話になり、評価までしていただきました。
残念ながら、「思うような商品ができなかった」とのことで、その話は流れました。

そして、昨年は自らガーデンカフェに出店して東ティモールのコーヒーを紹介するチャンスをいただいたのですが、当店の都合で辞退しました。

そのような経緯がある中で、今回、パレルモさんが選んでくださったことで、ついにガーデンカフェに東ティモールのコーヒーが登場することになりました。

焙煎度はシティローストでの提供となる予定です。
店頭販売はフルシティの予定なので、シティローストで味わっていただけるのはこのイベントのみになるかもしれません。
3連休で遠出されるかたも多いと思いますが、機会がありましたら、世界の料理と一緒にお楽しみいただけると嬉しいです。smile

コーヒーの飲み頃 (神戸マラソン向けコーヒーを早くも焙煎した理由)

今年はサブフォーブレンドに変わります。

いよいよ今週末は神戸マラソンですね。
天気が心配ですが、なんとか、ランナーの皆様には気持ちよく走っていただきたいものです。

そういう自分は、第一回から昨年まではずっと抽選に応募してましたが、2012年に1度当たっただけです。その時は大阪マラソンと神戸マラソンが同日開催だったので、少し当たりやすかったのだと思います。
結果は2時間57分とギリギリでしたがサブスリー(3時間以内)で完走することができました。一応、その結果があって、2013年,2014年とサブスリーブレンドなるものを店で提供したわけです。サブスリーを達成していない人がサブスリーブレンドなんて作っても全く説得力無いですもんね。経営したことのない人の経営コンサルティングみたいなもんです。

そんな、サブスリーブレンドですが、既にお伝えしましたように、今年はサブフォーブレンドに変わります。
また、今年は豆での販売は無く、当日早朝の無料ポットサービスのみです。豆の量は300gもあれば十分なので、サンプル焙煎用の小型焙煎機で既に昨日焙煎を終えました。(以下はその煎り上がりの瞬間の動画です。)
https://youtu.be/by5_D25bY8I

と書くと、「豆売りしないのに随分早く焙煎するんだな」と思われるかたもおられるかと思います。
昨日Facebookのほうでも簡単に書いたのですが、その理由は、コーヒーは一般的に焙煎直後より焙煎の2,3日後に入れたもののほうが美味しいと感じる方が多いからです。

焙煎直後は炭酸ガスの放出が激しすぎることが、成分の抽出を阻害するためと言われています。焙煎直後のコーヒーを挽いて湯をかけると、ボコボコ泡が出てきます。このように激しく炭酸ガスが出てくることによって、湯が粉に浸透することを妨げるようです。この状態で淹れたものを飲んでみると、シャバシャバした薄い印象のコーヒーになりがちです。
それで、この「コーヒーもうひとつだな」なんて思いつつも飲み続けてたら、次第に美味しく感じるようになってきたってこと、経験されているかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
次第に美味しくなるといっても、時間が経過するにつれて、酸化等による劣化は進みますし、香味も抜けていくので、2,3日後ぐらいを過ぎると、それ以降は劣えていきます。

そういうわけですので、今回のサブフォーブレンドは一番飲み頃の状態で提供したいと思い、昨日焙煎しました。お近くのランナーはぜひどうぞ。ただし、利尿作用などあるとも言われますので、ご自身の体調やレースの本気度なども勘案してお楽しみください。