コーヒー豆の保存について (ご自宅に持ち帰った後)

前回のおさらいですが、店のコーヒー袋にはコーヒー豆の運搬を目的にしたものと、保存を目的にしたものがあります。

当店の袋は前者であり、ガスバリア性は高くないので、持ち帰った後は湿気や臭いを遮断するため密閉容器に移しかえて保存していただくことをおすすめしています。

(1) 常温保存

豆のままご購入された場合は1週間程度でしたら常温で保存してはいかがでしょうか。
それぐらいの期間であれば「香味の劣化」というよりは「香味の変化」を楽しむぐらいの感じで味わっていただける範囲だと思います。実際のところ、焙煎したてよりも数日後のほうが美味しいとおっしゃるかたは多いです。

常温保存に使える密閉容器はビン、缶、セラミックなど多種あります。光による劣化速度アップを懸念して不透明の缶やセラミックを採用するかたもいらっしゃいますが、外から中身が確認できる容器に入れて、暗いところに置いてもいいと思います。

(2) 冷凍保存

粉に挽いた状態で保存する場合や、豆でも長期間にわたって保存する場合、冷凍で劣化を遅くすることはできます。
冷凍庫では他の食品などから臭いをもらいやすいので、常温同様に密閉容器に移しかえたほうがいいです。

冷凍の弱点として、冷凍庫から出した時に吸湿しやすいということがあります。
問題となるのは容器内の結露です。(容器の外側につく水滴は、コーヒー豆にはくっつかないので無視できます。また、容器から取り出した豆につく水滴も、どうせこれから淹れるんだから気にしなくていいですよね。)
これは、容器を開けた時に入り込んだ外気が容器によって冷やされ、飽和水蒸気量が下がり、あぶれた水蒸気が水滴となって容器内側につくというロジックです。(理科で習いましたよね? )
したがって、ビン、缶など空気を冷やす力の強い容器より、冷やす力の弱い薄っぺらいプラスチックの容器や袋を使うほうが水滴はつきにくいです。
複数の容器に小分けにして保存すれば、出し入れを減らせますので、吸湿する機会が減り、なお良いと思います。

個人的には大阪のタケヤさんのフレッシュロックを常温、冷凍の両方で使用しています。(タケヤさんではフレッシュロックの冷凍は推奨していませんので、自己責任で使っています。)
ジップロック等の袋もいいと思いますが、「使い捨て」を嫌ってあまり使ってません。

常温で室内に置くのなら、気に入ったデザインや質感のものを選びたいということもあると思います。
機能性、ライフスタイル、何を優先するかは人によって違いますので、結局は「お好みでどうぞ!」ということになりますね。
ここでは機能性を重視する場合の参考情報として書いてみました。

冷凍や冷凍の場合は、ペラッペラの容器の方がむいてます

コーヒー豆の保存について (ご購入からご自宅に持ち帰られるまで)

お客様からいただく問い合わせで最も多いのがコーヒー豆の保存容器、保存方法についてです。

Facebookのほうで断片的に紹介したりしていましたが、一度HPのほうに記事にしておこうと思い、こちらに投稿することにしました。最終的には固定コンテンツのほうに整理するつもりです。

今回は、通常(持ち帰り用の容器をお客様が持参されない場合は)一番最初にコーヒー豆が入ることになる、店のコーヒー袋についてです。

コーヒー袋には、使用場所まで運搬する用途と、保存する用途があります。
当店の袋はご自宅やオフィスまでの運搬用です。ガスバリア性はそれほど高くないので、持ち帰られたら、保存用の容器に移し替えていただくことをオススメしています。

保存用の袋が有用となるのは、スーパーやコンビニで販売されているコーヒーのように、袋に入れてから開封されるまでに相当な日数があるような場合です。当店はこまめに焙煎して、焙煎後1週間しか販売しないスタイルをとっているので、基本的に不要と考えています。

また、この種の保存袋は、コーヒー豆から出るガスを中から外に出すことで袋の破裂を防ぎつつ、外からガス(酸素等)の侵入はシャットアウトできるようになっています。
しかし、コーヒーの劣化への酸素の影響は酸素濃度を1%以内に抑えれるかどうかが勝負であって、1%を超えてしまったら、もはやあまり差が無い(目くそ鼻くそ)ことがわかっています。
したがって、この袋が威力を発揮するためには、酸素を除去(他の気体に置換)し、酸素を限りなくゼロにした状態で、封をしないといけないのです。大手メーカーの工場ならともかく、当店のような焙煎店ではそんなことはできません。袋の破裂を防ぐ、湿気から守るという点では多少の意味があっても、コーヒー豆の酸化による劣化対策にはあまり有効でないのです。

さらに当然ですが、この袋が有効なのは最初に開封するまでの話です。開けてしまえば、他の密閉容器に移すべきなのは運搬用袋と同じです。

以上の事由で、当店では1枚あたり50円,100円とするような保存袋を採用することは過剰投資と考え、比較的安価な運搬袋を使って販売価格を抑えるようにしています。

ただ、ギフトなどの場合は開封までの時間が長くなりがちなので、袋の破裂を防ぐことと湿気から守ることを目的に、保存袋も用意はしています。(1枚30円いただいておりますm(–)m)

コーヒー袋(運搬用と保存用)
写真左が当店の運搬袋、右側が保存袋です。

今回はここまでとし、持ち帰られた後の保存については、また別途とさせていただきます。

節分で残ってしまった煎り大豆をコーヒーの友に再利用する方法

節分で残ってしまった煎り大豆。
そのまリポリポリ食べても素朴な味わいで悪くないのですが、お茶ならともかくコーヒーに合わせるにはちょっと弱いのではないでしょうか。

ちょっと手を加えて砂糖でコーティングすれば、コーヒーの友としても再利用できますよ。

[材料]
・煎り大豆50g
・お好みの砂糖 30g
・水 15ml
・お好みのパウダー(きな粉、カカオ、シナモンなど) 適当量

[作り方]
(1)小鍋に水と砂糖を入れて火にかけてかき混ぜ続ける
(2)砂糖液にブクブク泡が生じるようになったら大豆を投入してからめる
(3)鍋底にあった砂糖液が大豆表面に移って無くなってきたら、乾かないうちにパウダーを投入し、ザクザク混ぜる
(4)大豆表面のコーティングが固まったら鍋から取り出して完成

今回はヘルシーに低GIのココナッツシュガーときな粉で作りました。
パウダー無しで砂糖&水だけでもいけます。
5分もあればサクッと作れますので、煎り大豆が残ってたらお試し下さい。

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コーヒー豆のブレンド方法 (プレミックスとアフターミックス)

ブルーボトルがオープンしたこともあり、神戸でもお客様などから「サードウェーブ」などの言葉を聞く機会が増えてきました。
それらは、シングルオリジンの産地の味を、中煎りまでぐらいの焙煎度で味わうのが主流になっているそうです。
でも、なんだかんだでブレンドコーヒーは人気です。特に流行に流されにくい神戸では根強いように感じます。
今日はそんなブレンドの製法の違いについて紹介してみたいと思います。

ブレンドの方法にはプレミックスとアフターミックスの2種類があります。焙煎前にブレンドするのがプレミックス、焙煎後にブレンドするのがアフターミックスです。
(アフターミックスはお客様が複数購入した焙煎豆をご自身で混ぜるのと何ら変わらないですね。)

2種類のブレンド方法
焙煎前にブレンドするのがプレミックス、焙煎後にブレンドするのがアフターミックスです。

どちらが正しいとかいうのは無く、焙煎屋の考え方や都合(^^;)で両方が使われています。

焙煎屋にとって楽チンなのは、単品で販売している焙煎豆を混ぜるだけのアフターミックスです。別途ブレンド用に焙煎する手間がかからないので楽なんです。

Coffee meets Bagels ではどうかというと、ブレンドは全てプレミックスです。
各豆を一緒に焙煎するわけだから、当然、焙煎日時と焙煎度が揃います。
これによって、焙煎から7日後までしか販売しないという鮮度管理ができるようになります。
また、焙煎度が揃うことで、ブレンドも単品同様に焙煎度によって選んでいただくということができ、焙煎度に応じた淹れ方も可能になります。

買ってきたブレンドを見て、焙煎度の違う豆が混ざっていたらアフターミックスです。
でも、アフターミックスでも同じぐらいの焙煎度の豆をブレンドしている場合は、ぱっと見ただけではどちらかわからないと思います。
興味が出てきましたら、挽いてしまう前にちょこっと眺めてみてください。

もうひとつのモカジャバ

モカジャバといえば、当店では第一には 「モカ(エチオピア&イエメン)とインドネシアのコーヒー豆をブレンドしたもの」を指し、実際に “モカジャバブレンドDIYセット” として提供しております。

今回はそのモカジャバでは無く、もうひとつのモカジャバの紹介です。

もうひとつのモカジャバとはコーヒーにココア(チョコレート)を入れたドリンクです。

ココアは体を温めてくれて、それを維持してくれる時間も長めなので、寒い季節にありがたいアレンジコーヒーです。

昔ながらの喫茶店の往年メニューで、最近のカフェでは見かけることが少なくなったように思います。

スターバックス等のカフェモカと似ていますが、一般的なモカジャバでは以下のような点に差異があります。

・エスプレッソでなくホットコーヒーを使う
・スチームミルクでは無くただのミルクや粉ミルクを使う
・チョコレートシロップでは無くチョコレートを溶かしたものやココアパウダーを使う

これはあくまで一般的な場合の話で、店によっては、モカジャバにチョコレートシロップを使ったりしていることもあります。

一応、参考までにうちで作る時のレシピを載せておきます。

これを元にお好みで調整してみてください。

カフェモカと違って、特別な器具が要らないので簡単ですよ。

【材料】

a. クリープ 20g
b. ココアパウダー 10g
c. 砂糖 10g
d. ホットコーヒー 160ml

【作り方】

(1) a,b,cをマグカップに入れる
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(2) ホットコーヒーを30mlほど入れてよくかき混ぜる
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(3) 残りのホットコーヒーを注いでかき混ぜたら出来上がり
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クリープという特定の商品名を使いたくなかったのですが、これが一番手に入りやすく使いやすいと思いましたので使いました。

スキムミルクで代用できますが、そのまま置き換えると、甘くなりがち、ダマになりがち、コクが無くなりがちです。

コーヒーはココアやミルクで隠されてしまいがちです。ただの「ホットココア」にならないように、深煎りのコーヒーを濃く淹れたものを使ってください。

当店の商品なら、ブラジル サントス(イタリアンロースト)かフレンチブレンド(フレンチロースト)が合います。

まだ少し寒さが続くようですので、冷え対策にお試し下さい。

コーヒー豆の保存を実際に試した所感(主観)です。

焙煎後のコーヒー豆の保存方法はどれが良いのか

コーヒー豆の保存方法についてよく問い合わせをいただきます。
どうもショップ、本、WEBサイトなど情報ソースによってオススメの方法がバラバラでどれが良いか判断できないということのようです。

正直に言いますと、「それならご自分で試してみられては?」と思います。
冷凍設備、保存容器などの環境によって差が出るでしょうし、結局判断するのはご本人ですから、ご自分で試して納得した方法を採用するのが一番だと思います。
でも、「試してみては?」では不親切なように思いますので、これまでに何度となく試したところの所感(主観)を競馬のイラストにしてみました。(^^;)

焙煎後のコーヒー豆の保存方法はどれが良いのか

「豆で冷凍」がベストだと思います。
「豆で常温」と「挽いて冷凍」は結構いい勝負です。保存日数が短いうちは「豆で常温」に分がありますが、長引くと逆転してくるように感じます。
「挽いて常温」はワーストです。

ワーストは避けて、後の3つから「こだわり」,「時間的余裕」,「コスト」などの観点で選んでいただくと良いように思います。
無理のない範囲でコーヒーをお楽しみ下さい。

ティピカとブルボン

昨日、新コーヒー豆としてルワンダ バフ ニャルシザを発売し、久しぶりにティピカ、ブルボンというコーヒー品種の両巨頭が店頭に出揃いました。
今日はこのアラビカのニ大品種について特徴などを紹介したいと思います。

arabica coffee family tree

どちらも香味の評価は高いものの、収量(木から収穫できるコーヒー豆の量)が少ないこと、病害虫に弱いことが嫌われ、効率重視の流れの中で栽培量が減ってきました。
しかし、近年は高品質への需要が増え、栽培がまた盛り返してきています。

ティピカ、ブルボンの見た目、味の特徴は大雑把に以下のような感じです。

品種 ティピカ ブルボン
外観 やや縦長 やや小ぶりで丸い
さっぱりした酸味と甘味 濃密なボディと甘味

見た目はわかりやすいですが、味は焙煎度による違いのほうが先に来ます。
しつこいようですが、焙煎度が深くなるにつれ、酸味は減り、ボディは増します。

幸いにも、今当店にあるボリビア / プーマプンク (ティピカ), ルワンダ バフ ニャルシザ (ブルボン) とも、焙煎度は同じシティローストです。
それぞれ、上記味の特徴がよく出ていて把握しやすいと思いますので、機会があればお試し下さい。
(プーマプンクは終了間近ですが・・・)