好みに合ったコーヒー豆を見つけるには

一言で「コーヒーずき」と言ってもにいろいろなタイプのかたがいらっしゃいます。

(1) 誰かが淹れた液体を飲むのが好きな方
(2) 自分で豆から淹れて飲むのが好きな方

当店はコーヒー豆の焙煎&小売店ですので、当店を利用していただけるのは(2)のかたなのですが、(2)の中にもいろんなかたがいらっしゃいます。

①とにかく毎回いろんなコーヒー豆を試してみたいかた(刺激派)
②好みのコーヒー豆一筋でいきたいかた (リラックス派)

自分にとってはどちらも大切なお客様ですが、今日は②のかたが自分好みのコーヒー豆にたどりついて、安心していただけることを目的とした内容です。

似たような内容を何度か書いている気もしますが、ご容赦ください(^_^;)

【前提】

まず前提が2つあります。この2つがNGだと、香味が劣化したり雑味がまざったりするので、コーヒー本来の味へと進めません。極めて大事な前提です。

・焙煎後の鮮度が良いこと

できれば焙煎後1週間以内のものを手に入れて1週間以内に飲んでいただく(つまり最長でも焙煎から2週間以内)といいです。
自家焙煎の店で焙煎日がわからない場合はお店の人に遠慮なく聞いて構わないと思います。
自家焙煎屋が答えれないのはおかしいので。

・不良豆や異物が取り除かれていること

これらが多く混ざっているとコーヒー以外の味がしますので、好みのコーヒーどころでは無くなってしまいます。

焙煎後の鮮度は大事です。
焙煎後の鮮度は大事です。

【最初は焙煎度、次に加工方式】

上記前提はOKですか?
それではコーヒー豆の好み探しを始めましょう。

苦味、酸味は甘味、コクなどと比べ多くの人がコーヒーにはっきり感じることができるもので、好みに合う合わないに大きく影響します。
そして、この苦味、酸味は焙煎度で決められる割合が大きいのです。
したがって最初のステップとしては焙煎度でコーヒー豆を選ぶのがオススメです。

好みの焙煎度がつかめたら、次は加工方式に着目するのがいいと思います。
加工方式というのはコーヒーチェリーを生豆に加工する処理の方式です。
この加工方式の香味への影響はかなりあって、特に香りへの影響が大きいように感じます。
この加工方式についても、記載していない豆屋があったら遠慮無く聞いていいと思います。

香味への影響が強い順番はこんな感じです。
香味への影響が強い順番はこんな感じです。

【品種、産地など他の要素は?】

ここまでの2つで、香味はざっくりは決まってきますので、品種や産地は軽視しても構わないと思います。

品種はアラビカかカネフォラという「種」の違いは香りや苦味にはっきり出ますが、アラビカ種配下の「品種」の違いはそれほど大きくありません。

産地に関しても、昔のようにコモデティやスタンダートとよばれるようなコーヒー豆がそのまま単品として売られていた頃は、生産国の特徴というのはあったのだと思います。
しかし、現在はコモデティはブレンド用に使われることが多く、シングルオリジンとして販売されるのは、生産者や地域が特定された、より高品質なものです。
そのようなコーヒー豆は加工方式、品種など多様化していて、その国に共通の風味というのは無くなってきています。

【まとめ】

まず焙煎度、次に加工方式とやっていくと、「フルシティローストのウォッシュトのコーヒー豆!」というぐらいに好みのスコープが絞れると思います。

そうすれば、カフェで液体を買うよりも確実に美味しいコーヒーが自分で淹れれるようになります。

自分好みのコーヒー豆を使って淹れるんだから当たり前ですよね (^_^;)

「自分の好みは◯◯ローストぐらいの●●式のコーヒー豆です」ぐらいはすぐに言えるようになると思いますので、チャレンジしてみてください (^^)

 

味、香味、風味、そして、おいしさ

おいしさの構成要素

コーヒーに限らず、食べ物&飲み物について、味、香味、風味といった言葉を使いますが、使い分けがイマイチ曖昧なように思います。

俺も「香りを特に意識してい言いたい場合は香味」、というように曖昧に使っていたのですが、最近読んだ書籍でわかりやすい説明をみつけました。

【味、香味、風味】

まず、甘み、旨味、酸味、苦味、塩味の基本味に辛味、キレ、コクなどが加わった広義の「味」があります。

この「味」に「香り」が加わったのが「香味」です。
「香り」+「味」=「香味」ですので、漢字的にもわかりやすいですね(^^)

さらに、この「香味」にテクスチャ(食感、口触り)が加ったのがと「風味」となります。

簡単&明確ですよね!
わかりやすくて、お客様にも説明しやすく、気にいりました。今後は、上記の定義で言葉を使い分けていきたいと思います。

【風味だけでおいしさは決まるのか】

さて、「風味」までなら以上です。

「うーーまーーぁぁあいいいぞおおおおお!!!!!」

と、味皇さん(古っ!)を叫ばせるには、風味までが勝負かもしれませんが、一般の人が感じる「おいしさ」はさらに「風味」にプラスアルファを加えたものだと思います。

おいしさの構成要素

例えば、コーヒーでいうと以下の様なプラスアルファがあると思います。

・ブルマンだからおいしい

・素敵な雰囲気のカフェだからおいしい

・食べログ高得点の店だからおいしい

・雑誌やテレビに出ている有名店だからおいしい

・スターも飲んでいるからおいしい

・イケメンバリスタが淹れてるからおいしい

うちの場合は、食通をうならせるようなコーヒーを目指して風味を追求しているわけではありませんので、プラスアルファも大切だと思っています。

しかし残念ながら、上に箇条書きしたようなものはどれもあてはまりませんので、それ以外の価値を生み出して、それが伝わるようにしていかなければと思っています。

本場ニューヨークでも人気、とうふクリームチーズの簡単レシピ

豆腐クリームチーズ

ベーグルの本場ニューヨークの人気店では200g近くあるような大きなベーグルにたっぷりのクリームチーズを挟んで食べるのが定番。
日本のようにベーグルに何もはさまずに食べてる人を見た覚えがありません。
伝統的なベーグルは100g程度だそうですので、クリームチーズ等をはさみやすいようにベーグルが肥大してきたと言えると思います。

そんな、みんな大好きなクリームチーズですが、有名な Ess-a-Bagel を筆頭に通常のクリームチーズの他にクリームチーズと豆腐を混ぜたディップを用意しているお店も多いです。
クリームチーズの何割かを豆腐に置き換えることで少しさっぱりした味わいになるだけでなく低カロリーとなるため、健康志向のニューヨーカーに人気のようです。

当店でも、この混ぜたディップのほうを「とうふクリームチーズ」として稀に提供しているのですが、最近はすっかりご無沙汰になっておりました。
今日は相性のいいハーブベーグルがあるので、頑張って用意しましたが、また当分つくらない可能性があります (^_^;)

以前に豆乳カッテージチーズというのは作り方を掲載しましたが、豆腐クリームチーズはまだでしたので、作り方を載せることにしました。
とても簡単ですので、ぜひご自分で作ってみていただければと思います。

豆腐クリームチーズ
Why don’t you make tofu cream cheese by your self?

【材料】

・木綿豆腐
・クリームチーズ
・酢
・塩

【作り方】

(1) 豆腐の水をきる
(2) 水を切った後の豆腐の重量をはかる
(3) (2)の重量と同じ重さのクリームチーズと、10%の重さの酢と、1.6%の重さの塩をフードプロセッサーで混ぜる

以上 !(^^)

どちらかというと、ドライフルーツなどが入った甘めのベーグルよりは、プレーンオニオンセサミなど食事系のほうに合うと思います。

最初の水の切れ具合によって、なめらかさが変わってきますので、お好みで調整してみてください。

Devil's Share (悪魔のわけまえ)

 【Devil’s Share とは】

コーヒー豆は焙煎すると重量が目減ります。
これは生豆にくっついている薄皮(チャフとよびます)がはがれたり、水分がとんだりすることによるものです。

ウイスキーでは樽で熟成している間に生じる目減りを Angel’s Share (天使のわけまえ) と言うそうです。

なんだか、可愛いですね (^^)

でも、天使は樽の中にいても、灼熱の焙煎機の中には残念ながらいなさそうです。

コーヒーは1600年ごろにアラビア半島からヨーロッパに伝わりましたが、当初ヨーロッパではイスラムの国からやってきた黒い飲み物のことを、「悪魔の飲み物」と怖がる人もいたそうです。

そこで、焙煎中に生じるコーヒー豆の目減りは、Devil’s Share (悪魔のわけまえ) と呼ぶのがいいと思いました。

Devil's Share

【Devil’s Share は重要?】

さて、そんな前置きはともかくとして、この Devil’s Share を当店は重要視していまして、焙煎する度に記録を残すようにしています。

前回と同じように焙煎できたかを考察する上で、色や膨らみといった外観は最初に着目しますが、その次に焙煎による目減り率(焙煎前後の重量比率)も重要と考えています。

だいたいどれぐらいかというと、当店で最も深いイタリアンローストなら焙煎前の80%ぐらいに、最も浅いミディアムローストでも87%ぐらいに減ります。

例えば目減り率が前回85%だったのが今回84%と1%も違っていれば、たとえ外見が同じに見えても、その中身はかなり差異のあるものになってしまっていると考えられます。

なので、この目減り率をモニタリングすることは有用で、今後も継続していくことで、焙煎豆の品質安定化に役立てていきたいと思っています。

【余談】

かつてアメリカで浅煎りのコーヒーが流行した理由として、ボストン茶会事件で紅茶と決別しコーヒーを飲むようになったが、紅茶への想いを捨てきれず、色が紅茶に近い浅煎りのコーヒーを飲んだという未練がましいストーリーをよく目にします。
しかし、もうひとつの理由として、浅煎りだと目減りが少ないので、焙煎業者側としては原価低減できてお得だったということが一因だったとも言われています。

おためしコーヒーポット

現在当店ではコーヒー用のポットを取り扱っておりませんが、4種類ほど店内に存在してはいます。
ステンレスのが2つ、ホーローのが2つです。

青色が好きなので青いホーローのポットが2つあります。
青色が好きなので青いホーローのポットが2つあります。ホーローのポットはしばしば「蓋が落ちやすい」「熱くて素手で持てない」などのレビューを受けがちです。

ポットを購入する場合にオンラインショッピングのレビューなどを参考にされるかたもいらっしゃるかと思います。
それは意味のあることだと思いますが、以下の例のようにレビューで指摘されていることと実際使ってみた印象が違うということも多々あります。

(誰かのレビューでは) 熱くなって素手で持てない

(実際に使ってみると) ティファールなどの電気ポットで沸かした湯を移して使うのなら平気かもしれません

(誰かのレビューでは) 淹れてると蓋が落ちる

(実際に使ってみると) 最後まで注ぎ切るようなことをしなければ、蓋が落ちるような角度にならないかもしれません

(誰かのレビューでは) 細い管になっているので湯が細く落とせる

(実際に使ってみると) 口先は細くても付け根の部分は太いほうが湯をコントロールしやすいかもしれません

以上のようなことは、購入前にはわかりにくいことです。
もし同タイプのものを検討されているようでしたら、来店された時にお試し下さい。手に持つだけでなく、実際に湯を落とすところまでやっていただけます。

当店にある4つについては以下にamazonのアフィリエイトリンクを貼っておきます。ただし、冒頭に書きましたように、販売はしておりませんのでご承知おきください。

ちゃんとメンテナンスすれば長く使えるものですので、お気に入りの一品にたどりついてくださいね (^^)

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ベトナムのコーヒー豆

最近ご近所の春日野道商店街にベトマムマムさんというベトナム料理のお店ができました。
セットメニューをオーダすると、昼でも夜でももれなくベトナムコーヒーがついてきますので、無性にベトナムコーヒーが飲みたい気分になったときにありがたいです。

昨夜も仕事帰りにベトナムコーヒーをいただいてきたところなので、今日はベトナムのコーヒーについて書いてみることにしました。

【ベトナム産コーヒー豆の概況】

ベトナムのコーヒー豆を見かけたり、買ったりしたことはありますでしょうか?
おそらく無いかたも多いと思います。当店にも置いてませんし、他店でもあまり見かけないです。

ベトナムといえば、ブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国です。日本のコーヒー豆国別輸入量でも同様に2位です。
それにも関わらず、ほとんどお店で見かけないのは何故でしょうか?

それは、輸入されたベトナムのコーヒー豆は多くが缶コーヒーやインスタントコーヒーで使われているからです。
「ベトナムのコーヒー豆」として単独ではほとんど売られていません。

ベトナム産のコーヒー豆はほとんどがロブスタという品種です。ロブスタ種は低価格ではありますが香味の評価は低い品種で、独特の臭いと苦味が敬遠されています。

そのため、日本では単独販売するに耐えないものとして、ブレンドしてインスタントコーヒーや缶コーヒー用に使われています。
ちなみに、Coffee meets Bagels では単品でもブレンドでも現在は取り扱っていません。

【ベトナム産のコーヒーを味わうには】

でも、世界2位の産地のコーヒーを一度試してみたいという Coffee Lover もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな時にてっとり早いのはベトナム料理屋さんなどでベトナムコーヒーをオーダすることです。(当たり前ですね  ^^;)

ベトナム料理屋さんなどでは100%ベトナム産のコーヒーを出していることが珍しくありません。
ベトマムマムさんでは、 ベトナム産の生豆を日本で焙煎したものでは無く、ベトナムで焙煎したものを使われているとのことです。

日本では主にブレンドされるロブスタ種が100%とあらば、「さぞかしおぞましい味では?」と思われるかもしれません。

しかし、これが意外にも普通に飲めてしまうんです。

これはたっぷり入れる練乳のおかげだと思います。
練乳を入れることで苦味を打ち消すだけでなく、ロブスタ特有の臭いもぼやけるように感じます。

でも、「これぞロブスタ」という香りと味を知りたいというかたなら、一度ブラックで飲んでみても面白いと思います。
ベトマムマムさんでは、コーヒーメーカーで淹れたコーヒーに練乳を足すスタイルなので、ブラックでも飲むことができます。

ベトマムマムさんではコーヒーと練乳が別になっているので、ブラックも試せます。
ベトマムマムさんではコーヒーと練乳が別になっているので、ブラックも試せます。

ベトナム人の店員さん曰く、ベトナムではホットで飲む時はかならず練乳を入れるそうです。
ブラックはアイスでしか飲まないそうです。
アイスにするのも、冷たくなると苦味が感じにくくなり、臭いも立ちにくくなるからだと思います。

きっと、自国で作っているロブスタ種を楽しむために、試行錯誤してできた飲み方なんでしょう。

慣れてくると「ベトナムコーヒーにはロブスタじゃないと物足りない」と思えてくるかもしれませんよ。

自分は、ベトナムコーヒー用の器具(下の写真)を持ってるので、たまに店のコーヒー豆(アラビカ種)を使って淹れてみるのですが、たっぷりの練乳と合わせるにはパンチ不足に感じます。(自分だけかもしれませんが ^^;)

典型的なベトナムコーヒーの抽出器具です。練乳の上にコーヒーを落としていきます。
典型的なベトナムコーヒーの抽出器具です。練乳の上にコーヒーを落としていきます。

自分好みの香味だけを飲み続けるもの素敵ですが、世界のコーヒー文化を楽しむのも面白いものです。

ファンが増えて需要が見込めれば、期間限定で当店で焙煎して提供することも考えたいと思いますので、声をきかせていただければ幸いです。
あと、上の専用器具もお貸し出来ますので、試してみたいかたがいらっしゃればおっしゃって下さい。

フレンチブレンド – それは主観押し付けとの決別

コーヒー豆: ネイビーブレンド

ブレンド紹介を続けます。第二弾はフレンチブレンドです。
名前のとおり、焙煎度がフレンチローストのブレンドコーヒー豆です。
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【目指したもの】

ラインナップにフレンチローストは他にありませんので、フレンチローストの味を一手に背負うものとして、際立った苦味とボディが楽しめるコーヒーを目指しています。
マンデリン、コロンビアと極深煎りにも耐える豆を多く配合しています。
ホットはもちろん、アイスコーヒーコーヒーゼリーコーヒーウオッカ、カフェオレなどにも便利に使える一品です。

コーヒー豆: フレンチブレンド
焙煎したてはまだそんなにテカってません。時間がたつとオイルが出てテカってきます。

【こめられた思い】

まだコーヒー豆を買う側だったころ、初めて通うようになった自家焙煎店は、横浜にあるオーダー焙煎の店でした。
自分で豆と焙煎度を選んで店のかたに伝えると、それから焙煎して15分後ぐらいには渡してもらえる形です。

そのお店で、いつもオーダーしていたのはマンデリンのフレンチローストでした。
豆も焙煎度も選択肢は他にもあるのに、いつも「マンデリンをフレンチローストで!」のワンパターン。
お店の人に「マンデリンフレンチ」とか、略して「マンフレ」とか、あだ名をつけられていたんじゃないかと思うぐらいです ^^;

それぐらい「マンデリンはフレンチローストに限る!」という強い主観があったわけです。当然、自分の店でもそれを商品にしようと考えてました。
でも、うちの店のスタイルをいろいろ考えた結果、自分の主観を押し付けるより客観的な品揃えをすべきという結論にいきつきました。

最近の自家焙煎のカフェみたいに、自店で焙煎した豆を自店で淹れるのが主で「豆も売ってあげますよ」的なスタイルなら好きにやればいいと思います。
でも、焙煎屋はそれじゃいかんと思いました。

そして、マンデリンはより幅広いかたに楽しんでもらえるようフルシティローストとなりました。
空いたフレンチローストの枠はブレンドで埋めることにしました。それがフレンチブレンドです。

そんなわけで、このコーヒー豆には「主観にとらわれすぎず、お客様が選び良い品揃えを」との思いが込められていますので、可愛がってあげてください。
よろしくお願いします ^_^