大切なものは、目に見えない? (Le plus important est invisible)

たまたまTEDのスピーチを視聴した Seth Godin さん。

なんとなくブログにアクセスしてみたらとても簡潔なポストが印象的で、その後もたまに読んでいます。
そのブログに、最近、こんなポストがありました。

Tires, coffee and people

Seth さんが言いたいのは最後の People で Tire, Coffee はそんための喩えに過ぎませんが、自分はコーヒー豆屋なので Coffee について言わせていただきます。

抜粋するまでも無い短いポストですが、敢えてコーヒー部分のみを抜粋したのが以下です。

The most important part of a cup of coffee is the beans. The grinder, the machine, the barista pale in comparison to the quality of what you start with.

And yet we upgrade our coffee maker instead of buying from a local roaster (or roasting our own).

美味しいカップを目指して、抽出器具、機器をとっかえひっかえする人がいらっしゃいます。
個人でいろいろ試すぶんにはいいのですが、器具を取り扱う立場のコーヒー屋がこれをやり出すと厄介です。

「スペシャルティコーヒーにはフレンチプレスです!」

「微粉がカップに入らないエアロプレスがいいですよ!」

「やっぱりケメックスですね!」

「これからはゴールドフィルターがオススメです!」

???
これでは何の一貫性も無く、お客様は何を信じていいのやら。やれやれですね。

抽出器具はその器具の理屈に基づいた材料&方法で粛々と淹れるためだけのもので、味を美味しくするためのものでは無いように思います。

Sethさんもおっしゃるとおり、やっぱり肝心なのは焙煎豆と思います。

そして、さらに焙煎豆にクローズアップすると、産地、ブランド、希少価値などに惑わされず、「焙煎後の鮮度」、「不良豆の少なさ」、「焙煎度が好みに合っているか」を重視したほうがいいと思います。

これからコーヒーがどんどん美味しく感じるようになっていく季節です。本質を見失わず、お好みの一杯にありついてください。

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ハリオのV60円錐形ドリッパーを取り扱っている理由

コーノとハリオ

現在当店ではハンドドリップ用のドリッパーはハリオのV60円錐形ドリッパーのみ取り扱っています。

これに関して、従来の台形のものとのどちらがいいのかとか、同じ円錐形の他のものとどちらがいいのかといった問い合わせをいただきます。

どちらがいいのかというのは一概には言えないのですが、当店でハリオしか置いていないのには一応の理由があります。

なお、検討対象としたのは、メリタ、カリタ(ウェーブじゃ無くて従来の3つ穴のタイプ)、コーノ、ハリオです。

メリタvsその他

まず前提として当店では「透過法によるハンドドリップ」をオススメしていまして、コーヒーセッションなどでも紹介しています。そのため、これを実践するのに都合のいい器具を取り扱いたいと考えています。

「透過法によるハンドドリップ」とは粉の層に湯を少量ずつ繰り返し落として抽出する方法です。コーヒー本来の成分を効率良く溶かし出しつつ、雑味などの溶かし出したくない成分は置き去りにしやすい方法です。

メリタのドリッパーはお湯を一度(もしくは二度)に入れてしまって、小さな穴から抽出液が落ち切るのを待つ使用方法になっていて、それに準じて設計されていますので、透過法には不向きなのです。

カリタvs他

カリタはウェーブでは無く従来の台形のほうについてです。穴は3つあって、透過法で使えなくはないです。でも、セットした粉が上から見て(楕円ではなく)円形になっていて、かつ粉の層が深くなる円錐型ドリッパー(ハリオorコーノ)のほうが、より効率的に成分を湯に溶かし出すことが可能だと思います。台形が進化して円錐形になったんですから、あえて旧式を使い続ける必要は無いように思います。

コーノvsハリオ

残ったハリオ、コーノですが、耐久性、リーズナブルさ、ルックスの観点で優っていると思えるハリオを取り扱っています。

耐久性は、コーノはしばらく使っているとヒビだらけになってしまいます。ヒビが入ってもそこから液体が漏れるには至らないようですが、そのうちヒビが入るであろうものをお客様におすすめしたく無いです。

コーノとハリオ
コーノとハリオとでは主に耐久性とリブの形状に差異があります。

リーズナブルさは、同じ樹脂製で比較するとハリオはコーノの1/3未満で購入できます。(2015年9月時点)

ルックスは好みの問題ではありますが、ハリオV60のスパイラル型のほうを美しく感じる方が多数派のように思います。

ハリオでしばしば問題視されるのが、湯が落ちる速度が速過ぎるということです。
ドリッパーの下部から中部まで直線のリブがあるコーノに対し、ハリオはスパイラル型のリブが上部までのびています。このため、湯を下方向に引く力が強くなり、落ちる速度が比較的速くなるようです。

コーヒーメーカーのように10gの粉で120mlのコーヒーを淹れる場合は、たしかにこの速さが問題になるかもしれません。当店では深煎りのコーヒー豆は3分以上時間をかけて入れることをオススメしていますが、これが少し難しくなります。

でも、ハンドドリップでこのような少量を入れるかたは少ないように思います。喫茶店などでも150mlは入ってることが多いです。15gの粉で150mlのコーヒーを入れるのなら、ハリオでも問題なく3分以上かけることができます。なので、速度の問題はあまり気にしなくていいと思っています。

長くなりましたが、以上のような考えで、ハリオのみを現在は扱っています。
でも、ヒビなんて気にしないというかたならコーノでもいいかもしれないですし、楽チンに入れたい場合はメリタも便利だと思います。
「これでないといけない」というのはありませんので、お客様の使用状況に合ったものを選んでいただければと思います。

※現在、ハリオのドリッパーの2杯用,4杯用はガラス製のものしか置いてませんので、樹脂製についてはamazonへのリンクを以下に貼っておきます (^^)

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コーヒー豆「コスタリカ ガンボア」販売開始のお知らせ

3種類の加工方式

本日から「コスタリカ ガンボア 14/15」を販売開始しました。
焙煎度はシティローストです。

ご購入量 価格
100g 600円
200g 1,160円 (100gあたり580円)
500g 2,800円 (100gあたり560円)

当店では初のナチュラル方式で加工された中米のコーヒー豆です。
ぜひお試し下さい。どうぞよろしくお願いします。

3種類の加工方式
左: ナチュラル, 中: パルプトナチュラル, 右: ウォッシュト

 

コーヒー豆 : コスタリカ ガンボア 14/15

【基本情報】
エリア タラス地区
標高 1,850m
生産者 ガンボア農園
クロップ 14/15
加工方式 ナチュラル
品種 在来種
認証

スペイン語で「富める海岸」を意味するコスタリカ(Costa Rica)は、東西を太平洋とカリブ海に囲まれ,国土の中央に山脈が連なる美しい自然を有する国です。また近年では、豊かな自然を体感するエコツーリズムや、再生可能エネルギーへの取り組み等で注目される環境立国にもなっています。そんなコスタリカでは自然との調和を大切にした環境に優しい方法でコーヒーが生産されています。品質はもちろん、その環境への優しさも世界的に高く評価され、高値で取引されています。
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コスタリカにはブルンカ(Brunca)、中央盆地(Central Valley)、グアナカステ
(Guanacaste)、オロシ(Orosi)、タラス(Tarrazu)、トレス・リオス(Tres Rios)、西盆地(West Valley)、トゥリアルバ(Turrialba)の 8 つの生産地域がありますが、高地だけで栽培されるタラスのコーヒーには「酸味が強く上品で、コクがあり特に良い香りがある」という特徴があり、国際的に最も好まれる風味を持っているといわれます。
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ガンボア農園はタラス地区にある75年続く農園です。
その熟練の技術によって、ナチュラル,パルプトナチュラル,ウォッシュトとマルチ方式でチェリーから生豆に加工することが出来ます。
今回はカツゥーラ種のみをナチュラル方式で処理した、選りすぐりのコーヒー豆を紹介することにしました。
ナチュラルといっても、ブラジルのナチュラルとはまた別のフレーバーを感じていただけると思います。

3種類の加工方式
左: ナチュラル, 中: パルプトナチュラル, 右: ウォッシュト