認証コーヒー (UTZ Certified)

当店のコーヒー豆の商品説明に記載している内容についての補足説明を続けます。

ウォッシュド、ナチュラル、スマトラ式と続けてきた加工方式は、他にもまだあるのですが、その方式で処理されたコーヒー豆の取り扱いを開始する際に紹介したいと思います。

今回からは、加工方式から変わって、「認証」について紹介します。

認証コーヒーとは環境保全、安全性確保、生産者支援などを目的に、非営利団体や第三者機関により、一定の監査基準に則って評価し合格したコーヒーのことです。

今回は、現在販売中のインド/アラビデクールの”生豆“が認証取得している UTZ Certified です。

(“生豆“と明記しているのは、当店で焙煎し販売しているコーヒー豆は UTZ Certified として認証ラベルを貼って販売することができないためです。せっかく UTZ Certified の生豆を仕入れたのだから、当店もコーヒー袋にラベルを貼れるようにしようと試みたのですが、難航し実現にいたりませんでした。長くなるので、そのへんはまた別の回に書きたいと思います。)

すごく簡単にまとめると、UTZ Certified の特徴は以下のとおりです

・大規模生産者向け
・安全性、トレーサビリティ重視

フェアトレードのような最低価格保証はありませんが、市場情報を提供し、買い手側が市場価格しか払わないような場合には警告を発し、従わなければ登録を取り消すというような援護射撃のようなことはやっています。

オランダ発祥の認証システムで欧米では広く浸透しているようです。日本ではグッドインサイド認証という名で知られてたりしていましたが、現在この認証ラベルはあまり見かけません。自分もここ1年ぐらいの間に目にしたのはIKEAのコーヒー、チョコレートぐらいのもんです。

インド/アラビデクール農園のコーヒー以外にもニカラグア/モニンボ農園など何種類か取り寄せてみたのですが、農法がきめ細かに規定されているせいか、農作物としての物理的品質は良いものが多い印象を受けています。(あくまで今のところですが。)

インド/アラビデクールは最終の焙煎が昨日完了しました。無くなり次第、販売終了となります。今月は特豆として販売中ですので、よろしければ最後のチャンスにお試し下さい。

当店のインド/アラビデクールにIKEAのチョコレートのようにラベルをつけることはできないのです。

IKEAのチョコレートにプリントされているUTZ Certified のラベルです

アイスコーヒーのレシピ「ホットで入れて急冷」

暑くなってテイクアウトのアイスコーヒーの需要が増えてきたので、ご自宅でアイスコーヒーを作る方法です。ウォータードリップサーバの販売をお知らせしたばかりですが、今回はホットで入れて急冷する方法です。

ウォータードリップは簡単で作り置きもできて便利ですが、元々はダッチ式といって、昔オランダ領だったインドネシアで飲まれていた不味いコーヒーを少しでもマシに飲めるようにと、水で抽出することで成分の抽出を抑えようと試みたのが始まりと言われています。
不味いコーヒーというのはロブスタ種と呼ばれる、日本ではインスタントコーヒーや缶コーヒーなどに使われるもので、好ましくない香り・苦味があります。
しかしながら、アラビカ種の品質の良いコーヒーをアイスで飲むのなら、手間は少しかかりますが、湯でコーヒーの成分を十分抽出してから急冷するやり方がオススメです。水には溶け出しにくい香ばしさや苦味の成分を抽出することが可能だからです。

手順自体は簡単で以下のとおりです。

【出来あがり量 250ml(氷含む) の場合のレシピ】

① コーヒー豆(粉)25gでホットコーヒー150mlを抽出
(アイスコーヒーにはイタリアンローストもしくはフレンチローストといった極深煎りが合います)

② 抽出の合間にグラス一杯に氷を入れておく
(細かい氷がオススメです)

③ ①を②に一気に注いで、軽くかき混ぜて出来あがり

出来あがり量によって、粉の重さ、抽出量は調整してみてください。

ホットで入れて急冷して作るアイスコーヒー

黒糖くるみベーグル、マスコバドレーズンベーグルの真実

昨日、アースデイ神戸へご来店いただいたかたありがとうございました。
開店時間が遅くなり、また開店後バタバタしてホットコーヒー等の提供がスムーズにできず申し訳ございませんでした。
また、実店舗休業中のため、ご不便・ご迷惑をおかけしましたかたにおかれましては、申し訳ございませんでした。
本日(5/5)もアースデイ神戸です。天気が悪そうですが、粛々と営業しておりますので、よろしくお願いします。

さて、思わせぶりな件名についてですが、アースデイ神戸で販売している黒糖くるみと、実店舗では販売しているマスコバドレーズンのベーグルのフェアトレードの原材料についてです。

この2商品、POPなどでマスコバド糖(ATJさんが支援するフィリピンのフェアトレード黒砂糖 )の使用をPRしていますが、実はFLO認証ラベルのイギリス・メリディアン社のモラセスも併用しています。

当初はマスコバド糖だけで商品開発していたのですが、色合い、風味を調整する過程で、FLO認証のモラセスとコラボさせることにしました。

日本のフェアトレードには主に認証型と提携型があります。
(いろいろ分け方があるのですが、ここではタンザニア ルカニ村のコーヒーでお世話になっている京都大学 辻村教授の著書「農業を買い支える仕組み」の方式を採用しています。)
マスコバド糖は後者の典型、モラセスは前者の典型といっていいと思います。
この両者は、私が見る限り、協力してフェアトレードを広めるというようよりも、むしろ対立しているように見えます。
また、輸入元だけでなく、販売チャネルも、認証型のみを取り扱うスーパー、提携型のみを取り扱うフェアトレードショップ(WFTO認証団体の商品は扱っていることが多い)、といったように分かれていることが多いのです。

「では、当店は?」ですが、ハイブリッド、いいとこどりでいきたいと思います。
現地で支援していて、生産者の顔やフェアトレードの効果が伝わってくる提携型を強く応援したいですが、今の国内の普及度、少ない商品数では淘汰している場合では無いです。そもそも、一般的なスペシャルティコーヒーや、スタンダードのコーヒーも扱っている当店が、「フェアトレードに関しては提携型のみ扱います」ってナンセンスです。
これからも、品質の良いものであれば、区分にとらわれすぎることなく、採用・紹介していきたいと思います。

そんなスタンスを具現化している、黒糖くるみマスコバドレーズンをよろしくお願いします。

マスコバド糖(提携型)とFLOモラセス(認証型)

神戸マラソン2014パンフ

昨日よりエントリ開始となりました神戸マラソン2014、既に申し込まれましたでしょうか?

なぜかコーヒー豆屋の当店にもパンフが50部ほど置いてありますので、ご自由にお取り下さい。
(専用振替用紙は付いておりません。)

なお、はぐれメタルは偽物(ペーパーウェイト)なので、倒そうとかしないでください。

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コーヒー豆の加工方式 (3) ナチュラル (自然乾燥式)

ブラジル プレミアムショコラ 乾燥工程

コーヒー生豆の加工方式の紹介を続けます。今回はナチュラル(自然乾燥式)です。
パーチメント、ミューシレージいった用語は初回記事をご参照下さい。

ナチュラル(自然乾燥式)は以下のプロセスでコーヒーチェリーから生豆が取り出されます。ウォッシュト(水洗式)と比べてシンプルな工程になっています。

  1. 収穫
    まずは赤く熟したチェリーを摘み取る
  2. 乾燥
    そのまま拡げて乾燥する
  3. 脱殻
    十分に乾燥してカリカリになったところを脱殻する

 

ナチュラル(自然乾燥式)はエチオピア、イエメンの伝統農法です。それがブラジルなどの水資源の乏しい産地で広がりました。当店でもブラジルはナチュラルのものを使っています。(14年4月時点)
そのように産地の自然環境等に対応して採用されてきたナチュラルですが、近年ではその特徴的なフレーバーが人気を集め、中米などで意図的に採用されています。そのうち当店でも紹介してみたいと思います。(高価でなかなか仕入れられないのです。(^^;))

次回はスマトラ式を紹介します。

ブラジル サント・アントニオでコーヒーチェリーを乾燥している光景です。
写真はブラジル サント・アントニオでコーヒーチェリーを乾燥している光景です。ナチュラル (自然乾燥式) では、このように果肉がついたままの状態で乾燥させます。

お花見スポット

気がつけば桜が満開!、というわけでベーグルを持ってお花見に行くの良いスポットを紹介したいと思います。

と書くと、「どうせ生田川公園だろ?」と思われてしまいそうです。
確かに、生田川公園は当店のすぐ近くにあって、ベーグルやテイクアウトドリンクを持って行くのには最適ですが、今回オススメしたいのは「兵庫県公館」です。

公館南側の門の内に立派な木があって、桜が咲き誇っています。
しかし、それだけではありません。
写真で、黒ゴマおさつベーグルの穴の中に小さなベーグルが見えてるのがわかりますか?
正確にはベーグルでは無く、「オウシ・ゾウケイ・ランダム」というオブジェなのですが、ベーグルによく似てるんです。形だけでなく、ベーグル生地を巻いた閉じ目のように見えるスリットも入ってるんです。質感は黒ゴマや全粒粉のようなツブツブした感じです。

ご興味がありましたら、一度見に行ってみてください。
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コーヒー豆の加工方式 (2) 水洗式(ウォッシュト)

前回から間隔が空いてしまいましたが、コーヒー生豆の加工方式の紹介を続けます。今回はウォッシュド(水洗式)です。パーチメント、ミューシレージいった用語は前回記事をご参照下さい。

ウォッシュト(水洗式)は以下のプロセスでコーヒーチェリーから生豆が取り出されます。

  1. 収穫
    まずは赤く熟したチェリーを摘み取る
  2. 果肉除去
    チェリーの果肉をパルパー(果肉除去機)にて除去する
  3. ぬめり(ミューシレージ)除去
    パーチメントについたぬめり(ミューシレージ)を除去する
    ※除去方法には大きく分けて発酵槽に入れ酵素の力で除去する方法と、ミューシレージリムーバとよばれる機械で強制的に除去する方法があります。
  4. 洗浄
    ヌメリがとれたパーチメントコーヒー(パーチメントが残ったコーヒー生豆)を水洗する
  5. 乾燥
    含水率が11-12%程度になるまで乾燥する
    ※乾燥方法には主に天日乾燥、乾燥機を使用した機械乾燥があります。
  6. 脱穀
    脱穀機でパーチメントを取り除き、生豆を取り出す

 

ウォッシュト(水洗式)では加工過程で異物や欠点豆が除去されやすく、雑味のないクリーンなコーヒーができやすいという特徴があります。
また、酸味、華やかな香りが出やすいと言われています。

現在日本で飲まれているコーヒーのスタンダートといえるもので、当店のラインナップでも14年3月時点でブラジル(ナチュラル)、インドネシア(スマトラ式)以外は、ウォッシュドのコーヒーとなっています。

次回はナチュラルを紹介します。

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