コーヒーの3つの酸味 – 酸味を毛嫌いする前に

酸味が苦手というお客様が多いです。
自分もかつては酸味を避け、フルシティより深い焙煎度のコーヒーしか飲んでいなかったタイプなので、その気持ちはわかります。でも、現在はハイローストなどの酸味があるコーヒーも普通に飲めるようになっています。

コーヒーを飲んだ時に感じる酸味には大きく3種類あります。

生豆にもクエン酸、リンゴ酸、キナ酸などの酸味成分はありますが、それらがコーヒーを飲んだ時の酸味になるのでは無く、焙煎中の化学反応によって生じる酸によって酸味を感じるようになります。

1. 焙煎によって生成される酸による酸味

2. 焙煎後の酸敗による酸味

これは焙煎後の酸化によるものです。焙煎後、時間がたって鮮度を失っていくのに伴って、酸敗が進み、この種の酸味が増加します。

3. 抽出後に増加する酸味

キナ酸の分子内結合(これ自体は酸味の原因にはならない)が抽出液中で結合がはずれてキナ酸が生じることで、酸味が増加します。
抽出したコーヒーが時間がたつとすっぱく感じるようになるのはこれが原因です。

「2. 焙煎後の酸敗による酸味」はいくら酸素が入ってこないように厳重に包装されていても、コーヒー豆内部の空隙に酸素があると、酸化は進みます。
酸化が進む前の新鮮なコーヒー豆を使うのが一番大事です。

「3. 抽出後に増加する酸味」は作り置きしなければ大丈夫なので、コーヒーを淹れたらお早めに飲むようにしてください。
「冷めるにつれて美味くなる」とか言うかたもいますが、そういうことがあったとしてもせいぜい5分以内のものだと思います。

もしかすると、コーヒー本来の1の酸味では無く、2や3の酸味を過去に味わって、「酸味嫌い」になってしまっていないでしょうか?
思い当たるかたがいらっしゃいましたら、一度、2や3の酸味では無く、新鮮なコーヒーが本来持っている1の酸味を試してみてください。意外に酸味に目覚めるかもしれませんよ。(^^)

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