コーヒーの粉に湯をかけても膨らまないのはなぜ?

今日は昨日のコーヒーセッションでお問い合わせいただいた内容をシェアすることにしました。

Q.
「ペーパードリップで粉にお湯をかけても(今日やった時みたいに)膨らまないのはなぜでしょうか?」

A.
まず膨らむ仕組みを説明させていただきます。
焙煎後のコーヒー豆はハニカム構造といって蜂の巣のような空洞だらけの多孔質の構造になっています。
0.01mmぐらいの小さな空洞なので、コーヒー豆を挽いて粉にしても1つの粉に数百個の空洞が残ります。
この小さな部屋に焙煎によって発生する炭酸ガスがたまります。
ペーパードリップで湯をかけると、湯がこの空洞に入り、先客の炭酸ガスは押し出されて上がってきます。これによって、粉面が押しあげられて膨らみます。

では、「膨らまない」のはどういう時か。
以下の3つが考えられます。

(1)焙煎後かなり時間がたって鮮度が落ちているコーヒーで、炭酸ガスを放出し切っている
(2)浅煎りのため、空洞がまだ十分形成されていない上、炭酸ガスの発生も少ない
(3)極細挽きで、空砲がほとんど破壊されて無くなってしまっている (この場合は、膨らまない以前に、湯が浸透せずに粉の上を流れてしまうこともあります)

ほとんどの場合は(1)に該当していると思います。

なお、この膨らみはペーパードリップによる透過法では無くてはならないものです。透過法はこの膨らみによって形成された透過層(※)に湯を繰り返し通過させることで、コーヒーの成分を湯に溶かし出す仕組みだからです。
膨らまなかったり、逆に陥没して減っこんだりするような状況では、透過法のロジックが破綻してしまいます。
透過層

「うちはドリップで淹れないから膨らまなくても平気?」
そうでもないです。たしかに、膨らまないこと自体はフレンチプレス、エスプレッソといった抽出方法には悪影響は無いかもしれません。しかし、膨らまないということは炭酸ガスと一緒に香りも抜けてしまっていることになります。
さらに、そのような鮮度の悪いコーヒー豆なら、既に酸敗して味が変わってしまっていたり、酸化臭を発してしまっていることも往々にしてあります。

ドリップ(透過法)で淹れるかたも、そうでないかたも、お湯をかけた時に膨らむかどうかは、そのコーヒー豆が賞味期限内かどうかを判断する目安となります。

いかがでしたでしょうか。
今後も、問い合わせをいただくことが多い事柄については、シェアしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

※透過層・・・これまで濾過層と言ってましたが、透過層に呼び方を改めました。数年前に読んだコーヒー本での名称「濾過層」をこれまで使っていたわけですが、考えてみると濾過しているのはペーパーフィルタのほうであって粉の層では無いので改めました。前々回以前にご参加いただいたかたには混乱を招く変更で申し訳ございません。指しているものは同じです。

コーヒーの品種

今回はコーヒー豆の基本情報に記載している事項の中で、まだ説明してなかった品種についてとりあげます。

コーヒーにもワインのぶどう品種や野菜のように品種があります。
店主はワインは飲みませんが、聞くところによると、ワインは品種特有の香気が強く、飲めばその品種が何かわかるらしいですね。
野菜も、最近読んだ農業本「キレイゴトぬきの農業論」によると、「旬、品種、鮮度」が美味しい野菜の3条件だそうです。
いずれも品種が重要なファクターであることがわかります。
これらに対して、コーヒーは品種による個性が香味表れにくいのが特徴となっています。

同じ品種でも、気候や土壌の違いによって、チェリーの種は違うものになるでしょうし、何より収穫してからの「チェリー→生豆」、「生豆→焙煎豆」のプロセスのほうが、香味に与える影響が大きいのです。乱暴に言うと「獲ってからが勝負」なのがコーヒーなんですね。

実際のところ、アラビカ種のコーヒーを飲んで、その品種がアラビカの中の何かを言い当てるのは、ほとんど不可能ではないかと思います。

そういうわけで、品種でコーヒーを選ぶのはあまりオススメはしておりませんが、各コーヒー豆の基本情報としては、把握できる範囲で提供させていただいております。

コーヒーの3原種と呼ばれるのが、アラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種です。リベリカ種は現在では生産量が少なく僅かとなっています。またカネフォラ種はコストコントロールのためにインスタントコーヒーや缶コーヒーに「混ぜ物」としてよく使われる品種です。
当店のような自家焙煎のコーヒー豆屋では一般にアラビカ種のみを扱います。

さて、そのアラビカ種の系統について、当店で提供しているコーヒーに関係する部分を中心に、簡単な品種のツリー図を作って、現在提供中のコーヒー豆をマッピングしてみました。
(といっても、今のラインナップで品種が限定されているのは3つだけです。)
コーヒー品種ツリー (アラビカ)
(図をクリックすると原寸図のあるページに遷移します。)

アラビカ種には大きくティピカ種とブルボン種から派生するグループがあります。
(ゲイシャなどどちらでもないものもあります。)
ペルー モンターニャベロニカはティピカ、グェテマラ ラ・アゾテアはブルボン、ウガンダ ムバレ は SL28というブルボンの子孫の品種です。
大まかな特徴として、ティピカ系はさっぱり甘味だとか、ブルボン系は濃厚なボディ酸味とか言われることが多いです。
でも何度も言っておりますように、これらの味は焙煎によって作られる割合のほうが大きいので、あまり品種にこだわり過ぎることなく、コーヒーを選んでいただいたほうがいいと思います。

コーヒー豆「グァテマラ ラ・アゾテア」販売開始のお知らせ(2014/9/10~)

本日(9月10日)からグァテマラのコーヒー豆 「ラ・アゾテア」を販売開始しましたのでお知らせします。焙煎度はシティローストです。

ご購入量 価格
100g 520円
200g 1,000円 (100gあたり420円)
500g 2,400円 (100gあたり400円)

2年連続で紹介させていただきました「ラ・クプラ」同様に、アンティグア地区&ブルボン種&ウォッシュトの正統派グァテマラコーヒーです。

ラ・アゾテア農園は農園内に博物館を有し、観光収入があるため、コーヒー栽培への依存度は高くないらしいです。フェアトレードの小規模農家とは大違いですね。
この余裕が、コーヒーの研究などに使える余力となり、高品質なコーヒーを作り続ける要因となっているとのことです。
これはわかる気がします。考える間もなくルーチンワークに忙殺されているな状況では、一生懸命やってるのに事態が改善しないなんて状況に陥りがちです。何をやるにも多少の余裕は必要ということですね!

そんなラ・アゾテアですが、どうぞよろしくお願いします!
La Azotea Sign

古物商はじめました(正式に)

夏休み中に古物商の許可が下りましたので、正式に古物商として営業できることになりました。
申請・許可は拍子抜けするほど何事も無く終わりましたので、これからとられるかたは自分でとってコスト削減してみてはいかがかと思います。

古物商正式スタートを祝し、Fire-Kingのマクドナルド グッモーニンマグを大量に仕入れました。
刻印は晩年の Anchor Hocking のみ(Fire-King の文字は無し)のやつです。
価格はこれまで(真っ白1,800円 / それ以外2,400円) 同様に2,400円です。
なかなかお買い得ではないかと思いますので、見てみて下さい。
マグはマクドでも、中身は当店のコーヒー豆から抽出した液体を入れていただけると大変嬉しく思います。(^^)

せっかく営業許可をいただいたので、Fire-King にかぎらず、コーヒー&ベーグルのあるライフスタイルにマッチするものがあれば「何屋やねん?」と言われない程度に紹介していきたいと思います。
FIre-King 販売再開しました。

コーヒー豆「ウガンダ ムバレ」販売開始のお知らせ(2014/9/3~)

9/3からコーヒー豆「ウガンダ ムバレ」を販売開始しましたので、お知らせします。
焙煎度はフルシティローストです。

ご購入量 価格
100g 440円
200g 840円 (100gあたり420円)
500g 2,000円 (100gあたり400円)

FLO認証(国際フェアトレード認証)の生豆を当店で焙煎したものです。
どうぞ、よろしくお願いします。
coffee-a-cup