「コーヒーが好きなあの人に、コーヒーを贈りたい。」
もっともな考えだと思いますが、コーヒーが好きな人ほど、嗜好、スタイルに合わないものをもらうとその処理に困ってしまうものです。
以下にコーヒー豆を贈る場合の3つのポイントをまとめますので、参考にしてみてください。
1. 新鮮なコーヒー豆を選ぶ
焙煎後のコーヒー豆は変質・劣化していきます。
飲まずとも、お湯をかけた時の粉の膨らみかた、香りの立ち上がりで、簡単にわかってしまいます。
焙煎後1週間以内のコーヒー豆を選んでください。
焙煎日がわからない場合は、そのお店のスタッフに問い合わせてみてください。
「専用のパッケージで新鮮さを確保しているので大丈夫です?」
そんなことはありません。
新鮮なコーヒーはガスを放出するので、真空パックできません。
パッケージがガスで膨らみ、破裂する事もあります。
逆に、真空パックされているということは、その中にはもはやガスが放出されなくなった鮮度の悪いコーヒーが入っているということになります。
真空パックでは無く、内から外へ一方通行でガスを出せるものもありますが、ガスと一緒に香りも抜けます。また、一方通行をうたっている以上、外から内へは空気が入って来ないのでしょうが、焙煎後のコーヒー豆は蜂の巣みたいに穴だらけで、その中に空気がつまっています。その空気で酸化・酸敗は進みます。
鮮度の良いものを贈りたいのなら、焙煎後間もない新鮮なコーヒーを選ぶ以外にないのです。
2. 豆か粉かを事前に把握しておく
普段豆で買っている人が粉のコーヒーをもらったら、正直あまり嬉しくないと思うはずです。
挽きたて&淹れたての中にある新鮮さを大切にしているかたなのでしょうから、当たり前ですよね。
できるだけ、事前に情報をキャッチしてください。
わからない場合は、粉に挽くケースが多いと思いますが、その場合今度はどれぐらいの細かさに挽くかという問題が出てきます。エスプレッソしか飲まない人が、中粗挽きのコーヒーをもらっても使い道に困ってしまいますよね。当店にもたまに「ここで買ったコーヒーじゃないんですけど、もっと細かく挽いてもらえないでしょうか?」といったお客様が来られます。場合によっては、挽かずに、豆とミルをセットにしてプレゼントするほうが良いかもしれません。
3. 焙煎度が嗜好にあったものを選ぶ
苦味、酸味といったコーヒーの味は焙煎度によって決められる割合が多くを占めます。したがって、浅煎り、中煎り、深煎りといったざっくりした度合いでもいいので、前もって好みの焙煎度を把握できるとベターです。
それが無理なら「無難なのを」ということになりますが、当店の焙煎度でいうと、シティロースト、フルシティローストぐらいがポピュラーです。極端な深煎り、浅煎りは避けたほうが良いでしょう。
以上、なかなか難しい点もあると思いますが、せっかく相手に喜んでいただこうと思って贈る物なのですから、少し意識してみていただければと思います。